第14章 エネルギー
第十四章 エネルギー
神風は一連の出来事で、ますますこの森のエネルギーについて知りたい気持ちが増してきたのだった。
再び廃墟のビルへ戻ると健三郎を探した。
「あ、君ここにいたんだ、あの、健三郎っていうあのおっさんに会いたいんだけど」
「あ、戻ったの?健三郎さんなら中庭の方へいったけど、たった今ここで話していたとこだから、それで戻ったって事は何かあったの、友達は見つかった?」
「いや、何も、あいつらも見つからない、でも、ちょっと治安部隊の奴らからの収穫はあったけどね、悪い、また後で」
神風は、翼との話もそぞろに終えると、階段を下りて中庭へ向かった。
健三郎はネネと中庭のベンチに座りながら、深刻そうな話をしていた。
「あの!」
「なんだ、おまえ、戻ったのか?どうした、友達は見つかったか?」
「いえ、それが一人は無事みたいなんだけど、もう一人はまだどっかで迷子らしい」
「そうだったか、墜落した現場まではたどり着けたのか?」
「ええ、それより知りたい事があって」
「あの、この森で起こっている事と、なぜあの山ができたのか?エネルギーって何のことを言っているのか?知りたいんだ、自分の中で何かが変わるんじゃないかって、その今後の生き方も変わる気がするんだ」健三郎は一旦ネネとの話を中断したあとに神風の方を向いた。
「あまり知りすぎない方がいい、今の世界はエネルギーなしでは生きる事もままならない、今我々が求めているものは逆だ、もっとシンプルな生活をしてもう一度新しい世界を作ろうとしているのだ。
君が知りたい事はエネルギーとは何かという事かな、すべてのエネルギーはうまく使ってこそ意味があるものだ。あそこにある街灯を見ろ、青い炎が見えるか?」
建物の回廊には点々と青い炎がろうそくを照らしていた。
「あの炎はな、黄リンという物質で、アルコールランプの代わりに灯火台として燃えている、あのリンはどこから手い入れたか知っているか?」
「いえ」
「あのリンはな、カタツムリの歩いた所に残るネバネバの粘液だよ、それを集めて保存しておいて燃料に使っているさ、リンは放っておけば自然発火してしまうが、あのカタツムリが体内に取り入れ、粘液と混ぜて外へ出す事で、空気に触れただけでは燃えないんだ、なぜそのような粘液を出すのかは未だ解明されていない」
「それって、そこいら中の建物に張り付いているでっかいカタツムリのこと?」「そうだ、知っているのか?」
「昨日寝た廃墟で体中あのネバネバにやられた」
「ハッハッハ、燃えなくて良かったな、火だるまだぞ、あの巨大なカタツムリはおそらくこの世にばらまかれたエネルギーのうち、リンを好んで食べたか、建物のコンクリートからかカルシウムを摂取するときに、一緒に微量の付着したリンや汚染物質を食べたかであんなに大きくなったのだろう、そのおかげであのネバネバした液体にリンが含まれているのだろうなこれぐらい、話せば十分か?」
「いえ、まだカタツムリの話しか、グリーンパラディウムのエネルギーがどこから来ているのか知りたいんだ」
「本気か、知ったら後戻りできないぞ!」
「かまわないよ、知る所までしったら次の行動に移るさ」
「ハッハッハ、仕方ない、いいだろう」
健三郎は、神風に詳しく話す事を約束した




