第13章 エアフラクターとの出会い 完
一分もしないうちに隊長と思われる人物から無線が入る。
「エアフラクター盗難者へ警告する、すぐに返すんだ、いいか今返せば罰則は軽減してやる、もし忠告を無失したら見つけ次第射殺する、いいか、射殺するぞ、オイ、聞いてんのか?」四人の無線からは隊長の声が響いていた。
「バーカ、カチッ!」
神風が一言、隊長を馬鹿にしたように無線で告げるとスイッチを切った。
「キ、キサマ!許さんぞ!」
「ハハハ、隊長とやら相当怒っちゃってるよ、神さん」
「ほんとだ、俺たちの事は誰だかわかってないんだ、きっと盗賊団と思ってるよ」「これからが見物だぜ」
「それにしてもココロの姿は無かったな、あいつ一体どこにいったんだろう」
「もし帰ってれば、上空を飛ぶ飛行機の音が聴こえるはずだからな」
ピーターが思い出したように言った。
「昨日、あの翼って子が盗賊が来たて言ってたよな」
「まさか、ココロ、出会った可能性は十分あり得るな」
「飛び立った日時を考えると昨日の話と一致する、生きていてくれよココロ、カイチ」
「もう一度、あの人たちの所へ戻って考えよう」
四人はエアフラクターで西へ向かわず、一旦南に進路を変えて、他の応援隊と鉢合わせしないようになるべく遠回りをした。
歩いて入っていった所とは別の奥まったビルの一角に、四機のエアフラクターを停めると無線を聞き入った。
治安部隊の捜索チームもすぐに周波数を変えて、別のチャンネルで更新し続けていたが、ある程度知識のある人間であればすぐに周波数を合わせる事など簡単だった。
このような事で、傍受を防げるとは考えていなかったが、救急の対応としては治安部隊も打つ手が無かったのだ。
「B班、C班そのまま待機していろ」
「A班は、本部中継地点にピックアップしたカイチという少年を保護し、その後現場へ急行する」
「いいか、窃盗犯に出くわしたらかまわず撃て、私が許可する」
「了解しました」
「無線はこのまま使用し、規則十三条に乗っ取って五分ごとに周波数を変更しろ」「了解しました」神風たちは治安部隊の様子をうかがうために周波数を調整していたら、偶然に先ほどの隊長の声が入って来た。
「まだ言ってるぜ、撃てってさ」サブローが笑いながら言った。
「そうじゃない、聞いたかその前の話、ピックアップしたカイチという少年って、カイチの事だろう」
「あいつ、治安部隊に保護されていたんだ」
ワハハハハ!
「うまくやったな、カイチ」神風は薄ら笑いながら、無線に聞き耳を立てていた。「カイチの事だから、きっとうまく丸め込んでのんびり旅行気分でご帰還って所じゃないかな」
凪が笑いながらいった。
「これで安心したぜ、あいつうまくやりやがったな、後はココロを探すまでよ」
神風は、更なる希望を胸にしたのだった。




