第13章 エアフラクターとの出会い
「オ、オイ!誰だお前たち、勝手に乗っちゃいかん、こら!」
異変に気づき、追いかけてくるも足下は倒れた木や残骸が散乱していて思うように走れない。
「こら、こら待て、お前ら待てって」
必死に叫びながらこちらに向かってきた。「おい、ヤバいぞ、Uターンだ」
「どうやればいんだよ!」
「いいから、アクセル握れ!」
ピーターがおぼつかない手つきで右手のアクセルを握ると、ブォーッとファンが回転し、フロントを持ち上げながら走ってくる隊員めがけてすっ飛んでいった。
「うわ、すげーなこれ、あー、ヤバいぶつかる、どけって」
ピーターのエアフラフターは勢い余って走って来た隊員の頭をかすめたあと、あわてて舵切りラダーを操作して吹き出し溝の方向調整をすると、やっと、水平を保ち始めた。
「誰だあれは」副隊長が怒鳴った。
こっちに向かって走って来た一人は、頭をかすめられた衝撃で倒れ込んだ。
近くで作業をしていた副隊長を含め、その他の四人もエアフラクターの一機が墜落現場の中を走り回っているのに気づいた。
「こら、勝手に乗ってはいかん、お前は誰だ」
と叫びながら、五人もエアフラクターの止めてあった場所へ戻ろうとするが、ファンの吹き出しから出るエアーの勢いで辺り一面、粉塵と砂埃が舞い上がり、その勢いもあって、まともに追いかける事もままならなかった。
「ピーター、こっち、こっち、こっちだよ」
「わかってるんだけど、言う事聞かないんだ」
「アクセル調整して、ターンするんだ」神風が叫んだ。
ピーターは右手のレバーを緩め、左足でラダーを調整すると、安定した走りに戻って来た。
「いいぞ、いくぞ、こっちだ、早く逃げろ」
「よし!わかって来たぞ、大丈夫だ」
四人はおぼつかないながらも、森の中へ走り去っていった。
「これは面白いぞ、どこまでも行ける低空飛行って感じだな」
四人はエアフラクターになれてくると、森の中の木々を抜けて走行する事なんて朝飯前だった。
いつものスリルより手軽に味わえるこの感覚を楽しむようにおそらく、治安部隊や、ジークの一団より遥かに優れたテクニックで操作した。
「追え!追え!残りの二機で捕まえろ」
副隊長が怒鳴った。
「わかりました」辺りを見る事も無く、隊員たちは二機にまたがるとエンジンをかけた。
その瞬間、ブオン、ガラガラ、ガシャーン
「なんだこれは、ツタが絡まってんじゃねーかよ」
「あの、糞ガキどもめが」
見事に二機は白煙を上げてファンが停まってしまったのだ。
「へへ、ザマーミロ、あいつら、今頃怒り狂ってるぜ」
ハハハ四人は奪ったエアフラクターで森の中を走り回っていった。
「ピィッ、ピィッ!、隊長、捜索中に何者かにエアフラクター四機を奪われました、現在森を西に向かってます、見つけ次第対応をお願いします」
「この無線を聞いていると思います」
「わかった、見つけ次第射殺する」
「了解しました」
「おい、射殺するってよ、みんな、無線じゃなくてGPSを切るんだ!モニターのスイッチのどれかだ、射殺なんて単なる脅しだよ、あいつらにそんな度胸ないよ」神風は一歩先を呼んでいた。




