第13章 エアフラクターとの出会い
しばらく並走すると金属反応が近隣である事をさし始めた。
「近いぞ」それと同時に、辺りの空気は森のにおいとは違う、いろいろなものが混ざって燃えたようなきな臭い異臭が漂い始めていた。
「臭うな、きっとこの辺だな」
「木立の向こうが明るいぞ、あそこだ、すぐに場所の確認をして隊長に報告しろ」B班とC班と共にいた副隊長が興奮のあまり声を上げた。
「B班、C班墜落現場を到着、先ほどの位置より東へ約一•八キロメートル先の地点です」
「了解、先に捜索を開始しておいてくれ、我々こちらの処理が終了次第、そちらへ向かう」
「了解しました」
隊長に報告すると先に着いた三機は、エアフラクターを降りて現場へと足を踏み入れた。
もう三機も間もなく到着し、六名は捜索を開始した。
「こりゃひどいな、めちゃめちゃだな」
隊員たちは現状の凄まじさに圧巻されながら、遅れをとった事に少々罪悪感を感じながら捜索に当たった。
まだ物が散乱していたが、ほとんどめぼしい物は、ジーク一団が取りさらってしまい、機体の破片など大きな目立つもの以外、まばらに散らばった乗客の荷物や、機体のくだけた破片が残るだけだった。
「副隊長、これって先にやられてませんか?」
「そうだな、あの盗賊団に先を越されたか」
「D-m2もこれでは森の中に散らばったと考えるのが自然だろう、生存者も時間が経てば生きている可能性は低くなる、とりあえず全体をよく捜索して隊長へ報告だ」
「はい、わかりました」神風たちは、やっとの思いで追いついた。
「ふーやっと追いついたぜ」
「あれ、あそこに停まっているのやつらの乗り物だぜ」サブローが一番先に乗り物を見つけると声をかけた。
「見つからねーようにな」
「大丈夫、あいつら捜索に必死だよ」
神風たち四人はようやく治安部隊の捜索する現場へたどり着き、墜落機の惨劇を目の当たりにした。
「スッゲーな、相当デカいのがおっこったな」サブローが思わず現状を見て目を丸くした。
「森が削られてるよ」
「ちょっと、俺も見に行きてーけどな」サブローは少し興奮ぎみにそわそわしていた。
「今はよせ、それよりこれいただこうぜ!」
「え、この浮いて走るやつ?」 凪が不安げに訴えた。
「なーに簡単だよ、よく見てみろよ」
「おそらく右のハンドルのレバーが風の風量調整だろ」
「ハンドルは根元を見る限り、左右前後に動くジャイロ式だ、あれは高低差とか舵の役割、足下のペダルは俺の飛行機と同じだ。後ろのファンの送風ラダーの調整だろう」
「それでどうやってエンジンかけて浮き上がらせて乗るのかな?」
ピーターが覗き込みながら話した。
「わからないけど、あの赤いボタンが、左にあるスイッチ辺りだろう」
神風がつぶさに観察し始めた。
「まず、スイッチ入れてアクセルを握る、ラダーは飛んでから調整するんだな、俺たちは四人一人一機乗っていったら二機に追われるから、この六機のうち二機は・・・えっと・・そうだ、あそこの木のツルをシートの下にあるサイドバーに巻き付けておけばそう簡単には外れない、それとファンを回したときにそこにも巻き込むようにしておくんだ、そうすれば逃げる時間を稼げる、よし、今なら奴ら捜索に夢中になってる隙をねらうんだ」
四人はエアフラクターを四機盗むために残り二機にツタや長い枝や根っこなどを探し、わからないようにうまく絡ませた。
「神さん、一人こっちへ向かってきますよ」
ピータが木立の向こうから、探し物をしながらこちらに向かってくる一人の隊員に気がついた。
「ヤバイ、早く乗れ!」
四人は一斉にエアフラクターにまたがると神風は赤いスイッチを押しアクセルを握った。ブオン!と、すごい風圧音とともに、二つのファンが同時に回りだした。「赤だ、赤いスイッチを押せ!」
「わかった」三人が一斉にスイッチを押した」
ブオ〜一気に四機のエアフラクターのファンが回った。
「振り落とされんなよ」
「こんなのちょろいもんだぜ!」
サブローが相変わらず、強気な発言をした。
隊長に無線報告に向かうためにエアフラクターに向かってきた隊員がファンの音に気づいた。




