第13章 エアフラクターとの出会い
第十三章 エアフラクターとの出会い
四人は宛も無く夕暮れの森へまた出かけていった。
太陽の沈む方角を背にして東へ向かうが、幅だけでも数キロメーロルに渡る谷のどの当たりに墜落した飛行機があるのかまではわからなかった。
彼らに聞いたところで、同様の方角しかわからないだろうと。
四人はネネの話がなんであるかについて考えていた。
「エネルギー体って何だ「サブローが最初に話し始めた。
「つまり、電気うなぎみたいな物かな?」
ピータが答えた。
「じゃー触っただけで感電死するのかよ」
凪が言った。
「うん?わかんねーけどよ、この森で生きてるんだからいつか出くわすだろうからな」
「そんときの楽しみってことで」神風は妙に人ごとだった。
神風は、エネルギー体の事より、時折木々の間から見えるエンジンマウンテンについて考えていた。
「あの山は何の為に存在しているんだ?何の目的で、誰が作り始めたんだ?」
「それとも、ただのゴミの山なのか?でも、さっきあの山で働いていたって言ってたよな?ってことは、中はなんか機械か何かで動いてるってことかな?ゴミ処理施設にしてはあのおっさんエンジニアとか言ってたしな?森にはエネルギーがたくさんあるって言っていたし、何か中で作ってんのかな?エネルギーを使って何か作ってんのか?いつか絶対に行って見ないと気が済まなくなってきたぞ」
神風は暗がりの森を歩きながら、一人頭の中で考えていた。
「神さんどうした?黙りこくってさ」黙々と歩く神風に、サブローが気を使って話しかけてきた。
「いや、何でも無いよ」
「ただ、あの山って何時できたんだろうって思っただけ」
「あれか、しっかしでかいよな!俺の生まれた頃にはもうあったな確か?」
「うちのおふくろはゴミの山だから近づくなっていってたっけ」
「ココロとカイチがいたら、一緒にこのままあの山ん中探検してみてーな?サブもそう思うか?」
「俺もいつか、見てやりたいと思ってさ、あの正体を」
「それにしてもあの山の周りは警備が厳重だって噂だぜ、あのオレンジ色の砲弾見たいのが地上でも所々あるって噂だし」
「ああ、俺も聞いちゃいるけど、でもそれが知りたくなってきたんだよ、きっとなんかとんでもない物がありそうな気がしてさ」
神風は、もうすぐ日が落ちる森の中を歩きながら、サブローとあの山について話したが、エンジンマウンテンの事は噂でしか聞いた事が無く、詳しくはここにいる四人も知らなかったし、今ままでは特に知ろうともしなかったのだ。
既に二時間は歩いただろうか?辺りはまっ暗になり、所々で虫声や、フクロウに似た鳴き声が遠くから聴こえてきた。
厚い雲の隙間から時々月明かりが差し込むのが見える。
夜は雲が高く、上空はかなり雲の流れが速いようだった。
森自体は目が慣れてくれば何となく見通しは利いたので、注意すれば歩けない事は無かった。
「後どのくらいかな?」
「さ〜な」ピータの言葉にサブローが素っ気なく返事をした。
「おい、あれ、明かりが見えるよ、あの建物」
急に凪が声を出した。
森の至る所に点在する廃墟の一棟の入り口に、明かりがほのかについていたのだ。「あそこにも誰かいるよ」
四人はそっとその建物に近づき様子をうかがった。
ビルは中をのぞくと、天井は既に崩落していて、窓ガラスも無く、ただのコンクリートの廃墟だった。
サブローが小走りで先に様子を見に行くと、人気がない外の古びた小さな街灯が、ろうそくの灯火のように、わらわらと力なく暗くなったり、明るくなったりしていた。よく見ると、コードの配管がコンクリートの壁を伝ってさびた鉄柱までつながっていて、中を通りその先にはカラカラと回る、今にも壊れそうな風車があった。「これ、風力発電か」
四人はほっとしたのか、急に笑いがこみ上げてきて誰とも無く大笑いを始めた。
「今日はここで寝るか、明日朝一番でまた、捜索を開始しよう」
神風の言葉で四人はここで野営をする事にした。
神風は寝付けるまでずっと考え事をしていた。




