第12章 森
「もしかして、あのでかいのに乗ってたんだ?」
「俺たちも実はその墜落機見てその場所を目指していたんだ」神風が訴えた。
「しっかし、良く生きてたな?」隣にいたサブローがぼそっと言った。
「君たちは無線かなにか持ってるのか?」
先ほどから、翼の後ろで頭部ぼりぼりとかきながら、あまりみんなとは目を合わせないようなそぶりをしていた小太りの浜岡俊平という男が突然話に加わってきた。
「ここにいる彼らは連絡する手段を持っていないし、ここの居場所も知られたく無いらしいんだ。
神風は自分達の飛行機に無線がついていたが、その場を察して「あ、俺たちも手ぶらなもんで」と答えた。
「でも、墜落した場所にじっとしていた方が必ず助けにきてくれるんじゃない?」ピーターが口を挟んだ。
「ええ、そうした方が安全だと思ったけど、でもそれがどうも、ここの人たち以外にも森の中で生活している人がいるらしくて、その人たちは必ずしもここの人たちみたいに友好的とは限らないみたいで」
翼は、始め遠回しな言い方をしたが、ネネから聞いた事を少しずつ話し始めた。
「それは、他にも墜落機を探してる奴らがいるってことか?」
「そういう事になるかな」翼は確信をつく話し方では無かった。
「私たちも、危険を感じて逃げてきたってわけ、どうやってここまでたどり着いたのか、道すらわからないけどね」 翼はありのままを話した。
「そういえば崖を降りているとき、燃えた治安部隊の奴らの乗り物があったっけ」サブローが言った。
「ああ、でも人はいなかったけど、血の跡がそこら中に」凪が話した後、顔を歪めた。
「そうなの、治安局もまともに助けにこられなさそうね」「あの、この森の中でいったい何が起っているんですか?あの山とか、さっき池の周りを飛んでたでっかいトンボとか、巨大なカエルとか、なぜDエリアは立ち入り禁止なんでしか?」
突然、神風がここ何日間の間、何となく疑問に思っていた事を口にした。
「それと、他にもやばい生き物がいるってうわさもあるけど、それってどんな生き物か知ってるんでしょ」凪も続けて言った。
「それは・・・」
「ここには重要なエネルギーがあるからだ」俊平が翼の後ろからしゃべりかけてきた。
「私は、浜岡俊平といいます、私は墜落した旅客機のエンジンを開発していました。あのエンジンに使われているエネルギーはD-m2という特殊なエネルギーで、森の中にかつてばらまかれていたものなんだ、その他にもありとあらゆるエネルギーがこの森の中にはあるとされいるんだ、それを探している連中がいる事も知っている、だから、簡単に言えば勝手に未開の森に入って勝手に持っていかれては都合が悪いってことなんだ」俊平はわかり安く流暢に話をした。
「ここにいるあなた方も元はエンジンマウンテンの開発者なんでしょ?」
「目的は私たちと同じはずじゃないんですか」
「新たなエネルギーを探し出して、それをどのように使うかを日々研究していたさ、あのEZ-9990の反重力コントロールエンジンも今となってはまた森へ散っていった、まったく、今はこんなざまだよ、命があっただけ良かったってことだけど、こんなになっちまってこれからどうすりゃーいんだよ」
俊平は吐き捨てるように訴えた。




