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D-m3  作者: wata
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第12章 森

「この奥だよ」

それ以上はしゃべる事も無く、黙々と廊下を歩いて奥の建物へと入っていった。

二棟目の入り口からさらに奥へ入ると、入り組んだ作りの建物になっていて、渡り廊下のような通路が交差しているのが見えた。

壁にはタイルが貼られた後があり、所々はがれていたが、ここはかつてヨーロッパ風に、仕上げられた建築物である事が伺える。

薄暗い迷路のような裏路地の道を歩いていると、さっきの女の子が頭上の渡り廊下を歩きながらこちらを見ていた。

隣にもう一人、姉だろうか?ゾロゾロと歩く我々の姿を見て「だめよ、こっちへ来なさい」っといって、そそくさと小走りで建物の中へ入って行き、姿が見えなくなってしまった。

「すみませんが、何処までいくのでしょう?」

今度は、ピーターが後ろを歩いてついてくる男に聞いた」男は、少し笑顔で「大丈夫、心配するな、俺たちの場所へ案内するだけだ」と答えてくれた。

裏路地をぬけて小さな階段を上がり、さらに渡り廊下を通って三棟目の建物に入ると、その建物の二階部分に当たる大きな広間のような空間に出た。

円弧状の天井に、ローマ神殿のような柱が四方を囲う形で建っており、一本だけが崩れて上部が下へ落ちていた。

外は階段状になり、一階まで続いて降りられるようになっている。

しかし、一階の通路はがれきで塞がれ、その半円状の空間からは、下の階に抜ける事ができなかった。

雲の合間から差し込む光が、柱の大きな陰を作り、神がかった演出が施されていた。

その柱の陰からさらに数人が姿を見せた。広いホテルのロビーのような空間は整然と整えられていて、外の風景とは別の世界に見て取れた。

「ここはなんですか?」

神風が辺りを見回しながら聞いた。

「まー座れ」

神風たち四人はボロボロだが、まだなんとか座れそうなソファーに腰をおろすと、やっと健三郎が話をしはじめた。

「俺は、佐野健三郎だ」

「お前は?」

「あ、あの、俺、神風って言うんです、でこいつがサブロー、こっちがピーター、で彼が凪それから・・・」

神風はできる限りの愛想笑いを浮かべ、森にいた経緯を話だした。

俺たちはさっき話した友達のカイチって奴ともう一人、ココロって奴とつるんで空を飛んでたんだけど、対立するブラック・ナインって奴らに一機落とされて、それでパラシュート使って脱出したんだけど、その後、助ける事もできなくて俺たちもやっとあの先の崖の上の丘からここまで歩いて探しにきたんです。

で、もう一人ココロって奴は、大型の墜落した飛行機探しに森に入ったきりで、二人ともいなくなっちゃったんで、探しにきたって訳で、誰か、皆さん知りませんかね?」

健三郎も、話を聞きながら一瞬何かを考えて、後ろを振り向くと、はげた男に「あれ、見せてやったらどうだ」っと声をかけると、男は折れて倒れた柱のたもとから、たたんでおいてあったパラシュートを持ってきた。

「あ!これ、カイチのだ!」ピーターが声を上げた。

「これ、何処にあったんですか?」サブローが訴えた。

「このパラシュートはさっきも話したが、木にぶら下がっているのを回収してきた物だ」

「森の中に人の気配があると、君たちみたいに人がまた来るだろう。

必ずしも訪問者は話が通じるとは限らんからな」

健三郎が意味深げな言い方をした。

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