第11章 ジークとココロ 完
ココロは本当の事は言わず、ウソをついた。
「お前何でも直せるって言ったな」
「レッド、壊れたエアフラクター全部直させろ」
「はい、わかりました」
「逃げたら、いいな」
ジークは言葉を発せずに、親指で首元を切るポーズを見せた。
戻ってきたときにフラクターを止めた場所に何台かの廃棄されたフラクターが置かれていた。
レッドは下までココロを連れて行くと、「これだ、明日までに直しとけよ、今日からここがお前の仕事場だ」
「いいな、逃げても無駄だ、森を抜けるまで何日もかかるからな、ハハハハ!」レッドはココロに伝えるとその場を去っていった。
「あ〜なんて事になっちゃったんだ、ちきしょう、そうだ、これに乗って逃げれば逃げ切れるかも」
ココロは辺りを見渡すと、そっとエアフラクターにまたがり、運転をしようと試みた。
「パン!」
そのとき、足下に銃弾がはじきとんだ。
「あ、あの、すみません、どんな乗り物かと思いまして」
逃げたらどうなるかわかるな」
戻ったと思ったレッドが柱の陰からのぞいて銃を構えていたのだ。
「は、はい、明日までになんとか直します」
「わかりゃーいんだよ、わかりゃー、ククククク」
レッドは、笑いを浮かべたままその場を立ち去った。
「何だよ、クッソー、直せばいいんでしょ、直せば」
ココロはうっすらと目に涙を浮かべながら作業に取りかかった」
その頃、ジークと盗賊一団は酒盛りを初め、宴をあげていた。朝日が昇り始め、木の陰からうっすらと木漏れ日が差し込み始めたその頃、ココロはうとうとと寝てしまった。
そこへいきなり瓶の割れる音が響いた。
「ガシャン!」
「うわ!」
ココロは目を開き、悪夢を見ていたんだと一瞬安心感をともした表情を見せた。「おい、終わったのか?寝てんじゃねーぞこら!」
レッドが酔っぱらって瓶を投げつけ、ココロの所へやってきた。ココロは夢ではなく、現実だったと我に返り、
「は、はい、後一台のファンを直せば終わりです」
と告げた。
「おお、そうか、良くやったな、終わったら上に来いや」
レッドは、急にニコニコして去っていった。
「クッソー、夢なら良かったのに」急に目頭が熱くなり、大泣きをしたかったが、悔しくて悔しくてぐっとこらえるしか無かっのだ。
レッドは、ジークのもとへ戻り報告をした。
「ボス、あいつ全部仕上げてました」
「ハハハハ、そうか、使えるなら生かしてやる、それがここの掟だ、良く見張っとけよ、いいな」朝日は既に地平線から高く昇っていたが、まだ一団は酒が切れるまで飲み続けていた。
神風や他のみんなに勝手な事をしたあげくに、こんな事になってしまった事を心底悔やんだ。
「みんなぁ、ごめんなさい、きっと戻るから」




