第11章 ジークとココロ
ジークは少しココロの顔を見ながら考えると言葉をかけた。
「おまえ、何ができる?ん?」
「はい、何がって、えっと、ですね」
急にされた質問に、ココロは何も答えられず、オドオドして辺りを見渡しながら焦りだした。
「顔を見られた以上、何も役にたたね〜なら殺せ、レッド、お前やれ」
ジークの口元からは笑顔が消え、冷酷な目をして言い放った。
「わかりました」
何のためらいも無く、レッドは銃口をココロの額へむけると引き金を引いた。「ひ、飛行機作れます、それから、機械物なら何でも直せます」
あわててココロは口を開いた。
「ぼ、僕、機械大好きなんで何でもいじれます」
ココロは目の前に突きつけられた銃口をちらちら見ながら、ジークに向かって訴えかけた。
「いいだろう、レッド止めてやれ、よし、まず戻ったら何か一つやってもらおう」「いいか、逃げようなんて考えたら即額に穴があくぞ、フフフ、いいな」ジークは不気味な絵美を口元に浮かべると、ココロの口実を受け入れた。
元々盗賊の連中はジークに拾われ、同様にして仲間になった人間の集まりだっかからだ。
裏切れば即死が待っている。
ここでココロは仲間に引き入れられ、そして命を助けられたのだった。
「おい、レッド今日からお前がこいつの面倒見てやれ」
「わかりました、ボス」レッドは引き金を戻すと、自分の持って来た余分な袋をココロに渡し、「お前もめぼしいものを集めてこいよ」と皆の行動をまねするように促した。
ココロは渋々袋を広げると、散らばった物を回収し始めた。
拾い集めた荷物がいっぱいになるとレッドと荷物を一緒にまとめ、エアフラクターへ積み込み、レッドの荷物と一緒に乗り込むと、帰り支度の準備を手伝った。
ココロはレッドの後ろにまたがり、袋以外にも持てるだけの自分の好みの荷物をかき集めアジトへ引き返していった。
ジークのアジトは壊れかけた高層ビルの一角にあった。
そこはいくつかのビルが連なるオフィスタワーと商業施設が一緒になったような、複雑な構成をした一角にあり、地下から湧き出ている噴水が、今もなお枯れる事無く懇々と湧き出している場所で、その周りだけは澄んだ水をたたえる池があり、大勢が生活していくには十分な環境を整えていた。
ジークと盗賊たちは、アジトへ戻ると拾い集めた衣類や生活用品を広げ、みんなで分け合った。
「おい、拾ったウイスキーと何本かワインあったろ、その他ある酒全部もってこい」
「お前たち、今日は新入りが加わった、歓迎してやれ」
「おまえ、自己紹介しろ」
ココロは自分の事を言われているとは気づかず、おびえながらオドオドキョロキョロ辺りを見回していた。
「オイ、お前だ!」腰につけていたナイフをココロの目の前の床に投げつけた」
ストン!ココロの足下に刺さったナイフを見て、ハッと驚きジークを見つめた。「オマエだよ、オマエ、オマエは今日からここが生活の場だ、わかったか」
「はい」
「で、名前は?」
「あ、ハイ、僕、ココロと言います、あの、落ちた飛行機に乗っていまして、その、今日始めてここへきました、あの、よろしくお願いします」




