第11章 ジークとココロ
第11章 ジークとココロ
「オイ、おまえたち行くぞ」ジークの一団は、約三分一の輩をアジトに残し治安部隊から奪った計ん十二台のエアフラクターにまたがり出発した。
ジーク以外は二人で乗車し、荷物を積み込むための装備や、治安部隊との応戦に備えた準備も怠らなかった。
「おい、タリー、レッド、お前ら先言って道案内しろ、おまえたちの手柄だ」
「わかりました、ボス、ありがとうございます」
先ほど土産物を持って帰ってきたタリーとレッドは、墜落現場の位置を把握しているため、先頭に立って森の中へと消えていった。
石山のせり出した谷へ降りる場所にさしかかると、タリーが、ジークに前方を指差してあそこだ!
という合図を送った。
大きな岩の向こうに、黒くこげたエアスピーダーが大破した状態で朽ち果てていた。
ジークはちらっと見たが、「チッ」っと口元を少し緩めただけで、特に気にもせず先を急いだ。
しばらく森の中を走り北へ進路を取り深い森を抜けると、墜落機の先頭部分が突き刺さっている森の開けた場所に出た。
ジークは開けた一面の墜落現場を見ると、宝物を見つけたかのように、「おお、ここか、ハハハ、こりゃーすげ〜や!いい眺めだぜ」っとほほを緩ませ、上機嫌になった。
「お前ら、めぼしい物は全部持っていけ」
「全部いただくぜ!キャッホ〜」総勢二十三名の盗賊たちは治安部隊が到着する前にいただく物はいただこうと手当り次第に飛散した荷物をかき集めた。
「ボス、見てくださいよ、このウイスキー割れてませんぜ」それぞれがスーツケースやら、機内品やら、バラバラに散っていた物で使えそうな物を袋へ詰め始めた。「死体が無いってことは、すべてあの透明のバケモノが連れて行ったてことだな!」
「ええ、ボス、ひとっこ一人いませんよ」
「これだけひどけりゃ、誰も助かんねーな」
「俺たちにとっちゃ好都合だけどよ、ヒヒヒヒ!」
盗賊たちは辺り一面に散らばっていたありったけの荷物を袋に詰め込み、エアフラクターに重ねるように積み終えると、遠くでボスを呼ぶ声が聴こえた。
「ボス、一人生きてるのが居ますぜ、こっちの中にうずくまって倒れてんのがいるんですよ」
「そうか、そりゃーいい、ちょっと待ってろ」ジークは自分の集めた物を乗せておくように命令すると、大きなくの字に曲がった翼の中へ入っていった。
そこにはスノーヴィに驚いて気を失ったココロが横たわっていた。
「なんだ、ガキじゃねーか、叩き起こして連れて来い」
「はいぃ」二人の手下はココロの両手両足を持つと、暗がりから外へ連れ出し地面に放り投げた。放り投げられた拍子に頭を打ち付け、ココロは目を覚ました。「う!痛ったいな〜」
右手で後頭部を押さえると、ハッと我に返った。
驚いた表情で辺りを見渡すと、五、六人の男どもがココロを見下げて薄笑いを浮かべていた。
「ふふふ、起きたかい小僧、生き残りかお前、ラッキーボーイってやつか」はっはっはっ!そこにいた盗賊全員が笑い出した。




