第10章 救出隊とカイチの遭遇
四人になったA班の捜索隊は、レーダーから消えた位置をおおよそ割り出し、墜落機の捜索に向かっていた。
「B班の現在地確認を願う」
「了解」「ナビゲーション上の我々のポイントは確認できますか、A班の現在地点より、北へ十五キロの地点です」
「了解、今確認できました」
同様に各班に位置確認を取り、周辺操作をしながら墜落現場へ近づいていった。「止まれ」
急に先頭に乗る隊長が声をかけた
。二台は木の陰に静かにエアフラクターを止めると、身を隠すように促した。「どうしました隊長」
「しっ、静かに、人影が見えた」
隊長と、隊員は静かに銃を構えた。じっと木々の間を見つめると、ちらちらと人影が通り過ぎるのが見えた。
「どうやら一人のようだな」
「二人は右に回れ」
隊長は静かな声と指で合図を送った。
隊長はもう一人の隊員と前後に回り込み、さらに二人は距離を置いて静かに近づいていった。
カイチは一人森の中をさまよい歩いていた。
「あーあ!どうすんだろ、俺、こんな所じゃ誰も見つけになんか来てくれないし!どうやって帰れって言うんだよ、チッキショー、ブラックの奴らめ」
カイチは一人ぶつぶつとつぶやきながら、ガサガサと枯れ枝と葉を踏みしめ、木の枝を振り回して歩いていると、突然左斜め前方の大木の影から人が現れた。
「動くな、静かに両手を上げて頭の後ろに回せ、膝をついてしゃがむんだ」
あまりに一瞬の出来事でカイチは言葉も出ずに言われるまま震えながら両手を頭の後ろへ回しそっと膝をついた。
「ちょっと待ってくれ、俺、何もしてないよ、撃つなってば」
カイチは、声を震わせながらつぶやいた。
「黙れ、お前は誰だ、なぜこんな森の中で一人で歩いている?」
「・・・」
カイチは大木の前から出てきた男の制服姿を見てすぐに治安部隊の奴らだという事がわかった。
「何だこいつら、ディザシティーの犬か、ってことは墜落機を探しにきたのか?」カイチは制服姿を見て一目で殺されない事を理解すると、妙な安堵感が湧いてきた。「答えろ、お前はここで何をしている?」
「え!はい、あの〜私の乗っていた飛行機が墜落しましてその〜気がつくとふらふらと・・・」
カイチはウソとも本当とも言えない事実を誇張して語った。
すると、隊長と部下はすぐに銃をおろし、声色を変えて話しだした。
「そうか、すまなかった、手を下ろしてくれ」
「君の乗っていた飛行機はどの辺りに墜落したのか、わかりますか?」
「他の生存者は、どうしているか知っているかな?」
隊長が低調な話し振りで語りかけてきた。
カイチは自分の飛行機が墜落した話をしたつもりだったが、説明不足のため、逆に勝手に治安部隊の隊長が、EZ-9990の生存者と勘違いしたのだった




