第10章 救出隊とカイチの遭遇
第10章 救出隊とカイチの遭遇
「ウゥ・・、おうとう・・・ねがいます」
「こ・・こちらきゅうごはん・・・バレーくだりで・・・なにものかに・・しゅうげきをうけた・・だれか・・たのむ・・・だれか・・・・ウゥゥゥ・・・たすけてく・・・・」
「こちら本部、どうした、おい、大丈夫か?何があった?状況を知らせろ、おい」森へ墜落した飛行機の救護に向かった先発隊の二名が谷の下り道を走行中、ジークの手下に遭遇し銃撃を受けた。
二人は隊長から連絡を受け、たまたま近くの森林をパトロールしていた治安部隊の隊員だったが、急遽救護班に加わり先発隊として谷へ降りる岩山のルートを通り、墜落現場を探しに行く所だったのだ。
銃弾をまともに食らった一名は致命傷を負い、その場でエアフラクター共々大破し、一人は即死状態だったが、もう一人は致命傷ではないが胸に一発食らい、もう一発は首をかすめただけだった。
しかしその場でエアフラクターから振り落とされ、横倒しになった状態で何とか無線連絡をしたものの、息も絶え絶えになり、無線を握る手に力を入れるのがやっとな状態で、応答マイクに向かって語りかけたが、何がそこで起きたかまでは伝えきれず力つきて倒れ込んでしまった。
「こちら本部、応答願います、聴こえるか?どうした、おい」
本部は何度も何度も無線で隊員に呼びかけるが、隊員からの反応はそれきりで無線から返答が戻ってくる事はなかった。
ジークの手下は非道にも、倒れ込んで苦しむ無線を持った隊員の手を踏みつけると、微笑みを浮かべながら無線の電源を引っこ抜き、「ククク、ざまーみろ」とつぶやいた。
本部では先に向かわせたパトロール隊がトラブルに見舞われた事で、無線連絡を取り次いだオペレーターが慌ただしくなっていた。
無線のやり取りを聞いていた監視センターの一室では、すぐに本部長に連絡をし、事の起こりをわかる限りの情報から推測し伝える事にした。「本部長にすぐに連絡を入れるんだ」
「ハイ!」治安部隊は日々グリーパラディウムの監視やデスホール内での監視など、いわゆる警察と同様の体勢を整えていたが、デスホール内だけだは進んで取り締まるような事はしなかった。
日々進化していくグリーンパラディウム内は、近頃テロリストと称する盗賊からの攻撃や略奪なども目立つようになり始めていた。
「本部長、近頃施設の拡大もよろしいですが、このグリーンパラディウム内の犯罪は日々上昇傾向にあります」
「このグラフと、分布図の分析をご覧ください」
本部内では、治安対策の会議中で墜落との因果関係を探るべく、テロ攻撃による墜落の可能性も視野に入れた救難会議を行っていた。
そこへ、一本の連絡が入った。
「本部長、監視センターからお電話です」
「なんだ、この大事なときに、後にしろと伝えてくれ」
「それが、救護班が襲撃にあったとの事で」
「なんだと、わかった、つないでくれ」
「本部長、会議中に失礼します、緊急事態が起こりまして連絡したのですが、現場確認に向かっていた救護班二名が何者かに襲撃されたようです」
「無線で連絡を入れて来たのですが、応答が途中で途絶えたまま息絶えた様子で、その後、位置特定をするためのGPSも切断された様子です」
「そうか、わかった、今からこちらを終わらせてすぐにそちらへ向かう」電話を切った後、ややこしくなった事態に本部長は顔をしかめながら、「会議は一旦中止だ、先発隊のわが班が何者かに襲撃されたとの情報が入った、すぐに大佐に連絡し、以後救出の問題に当たって皆も対策を練ってくれ」
本部長は急いで会議室を出ると、監視センターへ向かった。
「大佐に連絡しなければ」本部長は監視センターに着くなり、緊急用の電話を取ると剛田大佐にすぐに連絡を入れ、事の起こりを話すと保安省の幹部招集をお願いした




