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D-m3  作者: wata
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第9章 ジーク 完

二人はエアスピーダーに乗って、大量の荷物とともに来た道を戻り、仲間のいる廃墟へと勇んだ。

「こりゃーみんな喜ぶぜ!」

「今日は、洒落た晩餐会ってところだな!」

「ハハハ!」

廃墟の雑居ビルへ到着すると、二人は一旦すべての荷物を降ろし、担げるだけの荷物を担ぐと小道を抜け、階段を駆け上がり、みんなが集まっている大広間へと駆け込んだ。

「ボス、戻りました、あの、これ見てください、俺たちすごいもの見つけたんでさー」

大広間へ駆け込むと、レッドが大声を上げたのだ。

葉巻を燻らすジークがそっとソファーの椅子から立ち上がると、「何だお前らそれは、どっからかっぱらってきたんだ」っと目を見開き声を上げた。

「周りにいた手下たちも、「すげーな、おい、俺にもよこせよ!」っと一気に六人の男たちが群がってきた。

「待てって」レッドが怒鳴った。

「ボス、ボスが言ってた雷って言うのは、あれ墜落機だんだんですよ」

「もうめちゃめちゃでさー」

タリーが横から口を挟んだ。

「こんなにいっぱい」

「全部俺の物だぜ、お前らにやるかよ」

「それと、タリーが一台治安部隊からエアフラクターを奪ったんですよ」

「谷の入り口で奴らと出くわしたんで、ぶっ殺して二台いただこうとしたんですけど、一台燃えちゃいまして、残った一台だけ奪ったってわけです」

「ハハハ、なんだ、お前らすげーじゃねーか、ありゃー雷じゃなかったってか?」「おい、他の連中も全員連れて来い」「治安部隊がくる前に、全部いただくんだ、お前らいいか」ジークは手下全員に招集をかけると出発の準備に取りかかった。

「翼、翼さん、起きて」ネネは動けない体を傾けて寝ている翼を揺すって起こした。

「ねえ、起きて」ネネは、大急ぎで翼を起こそうとした。 

「ん〜、痛たたた、あ、ごめんなさい、私寝ちゃったみたい」

「それはいいのよ」

「それより早く、ここを出ましょう」

「ネネどうかしたの?」

「大勢来るわ」

「大勢助けにくるの、誰か?」

「いいえ、違うわ、多分ろくでもない人間たちが大勢くるのよ」

「なにか嫌な感じがするのよ」

「どういうこと、何かあったの?」

「多分だけど二人来たわ、さっきここへ、それで散乱した物を取って帰っていったわ、誰かに知らせるっていいながら、だからここにいたら大変よ、きっと」

「本当なのそれ、大変じゃない」

翼は、急いで俊平を起こした。

「ちょっと、起きて、おじさん起きなさいよ」

何度か翼が体を揺すると、俊平は一瞬びくっと反応した後、かえるが飛び跳ねるように飛び起きた。

「なんだ、どうした?みんな、生きてたか?」

「ちょっとおじさん、私たちここから出たいの」

「何だよ、夢か」俊平は、大勢の人が俊平を迎えにきてくれている夢を見ていたのだ。「あ、翼さんどうしたの?」

「夢見ている場合じゃなくて、私たちここから、今すぐ出たいのよ」

「今すぐに?」翼は、率直にストレートに俊平の目を見つめると訴えた。

「何だよ、ここにいた方が安全だっていったじゃないか?」

「いいから聞いて」

翼はネネの話した事を要約して話すと、ネネももう一度繰り返し、先ほど起った出来事を詳しく話してきかせた。

「本当か?それ、助けに来たのとは違うのか?」

「違うわ」ネネは、断言した。

「私にはわかるのよ」ネネが意味深げな言い方をした。

「ねえおじさん、ネネを背負っていってよ」

「そんな急に言われても・・・ああわかったよ、なんとか背負って連れれ出すしか無いな、それと僕、おじさんじゃなくて俊平と言います」

「俊平でいいです」

俊平は取り急ぎ外から散らばっているめぼしい物をかき集めると、ネネを背負い何処へ行ったら良いのかわからなかったが、歩けそうな道を進む事にした。

所々に点在する、かつての交差点だった場所には曲がったガードレールの一部分が地面に不自然埋まっていたり、アスファルトの道路が既に大地の一部になりかけ、隙間から這い出た草木でびっしりと覆われている。

「ここは昔街だったんだな!」

俊平はしっかりとした足取りで大地を踏みしめながら、見え隠れする過去の記憶を見つけるたびに思い深げにつぶやいた。

「過去の記憶か」

翼も同様に歩きながら同じ事を考えていた。

今は何もかもが木々に覆われてしまった過去の栄光は、見る影も無い。

「そういえば、さっき言っていたスノーヴィってやつら何処にいるんだ?」

俊平は背中におぶさっているネネ聞いた。

「私もわからないわ、きっと人目につかない場所じゃないかしら」

「そいつら本当に俺立ちを襲ったしないよな?」「そう願うのね!」ネネは背中でぼそっとつぶやいた。

三人はかつて街だったであろう場所を歩きながら休めそうな場所を探した。

数百メートルも歩くと森の中の至る所に大きな五階建てぐらいのコンクリート製の建物が点在していたが、どれも木の根がはびこり、浸食によって見るからに古い遺跡のような廃墟の様子がうかがえるような場所しか見当たらなかった。


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