第8章 生存者 完
「彼らは何もしないわ、襲ってきたりもしないし、そもそも体全体でエネルギーを吸収するから生き物を食べたりしないのよ」
でも、誰もいないじゃないか?どこへ連れて行ったって言うんだ?」
俊平は話を聞くうちにだんだんと不安になり、語尾を荒げた。
「まあ、落ち着いて聴きなさい、とにかく、彼らは生きている私たちには何もしないのよ、逆に友好的なくらい」
「生きているってどういう事だよ?」
「ええ」その後の事は、ネネもあまり話したくはなさそうだだった。
「知ってんだろ、ばあさん?そいつらの正体」
「・・・・・」ネネはちょっと間を置いた。
「彼らはね、死んだ人の脳に寄生して生まれてくる生き物らしいの、それ以上の事は知らないわ、いつどうやって何がきっかけで生まれてきたかは謎なのよ」
「寄生するって?どういう事だよ、化け物かそのスノーヴィって生き物は?」
俊平は、どう判断していいかわからなかった。
「見方によってはそうかも知れないわね、でも我々も他の生命の死をいただいているでしょ、きっと同じ事だと思うのよ」
「なんだそりゃ、それはそうだけど・・・」
俊平は、一通り話を聞くとゴロンと仰向けになり両手で地面をたたいた。
「ネネさん」
今度は翼が質問した。
「私の事はネネでいいわ」
今度は翼が状況に着いて話しだした。
翼も、ネネの話を聞いてすべての出来事を納得した訳ではないが、ますますこれからどのように行動したら良いのか、同時にそいつらが何者で、何処にいるのかなど疑問と不安が交互に頭の中を巡っていた。
「で、ネネ、何処いるの、そのスノーヴィって」
「何処にでもいるわよきっと、すぐそこの森の中にいるわ、でも、彼らは明るい所は嫌うので昼間はどこか薄暗い場所にいるはずよ」
翼もまた考え込んでしまった。
それから三人は、これからどうしたら良いかを話し合った。
このままここにいれば、いつか救助隊に探し出してもらえる事はわかっていたが、それよりも奇妙な生命体がいる事を知って、俊平はすぐにでもここを逃げ出したい気分でいっぱいだった。
「どうしたらいいんだよ畜生!」
「とにかくしばらくはここでじっと待つしかないわ」
「何か、助けを呼ぶ方法は無いのかよ、そうだ、携帯?携帯電話で連絡すれば・・・」
「ここ森の中よ」翼が覚めたように言った。
「クッソ〜だめか、そしたら何か燃やして煙だして見つけてもらうんだ」
「それも、いい案ね、でも見つけてくれるかしら?それほど近い距離ならもうとっくに来ているはずよ」
「じゃ〜どうしろって言うんだよ」
俊平は不安から苛立始めていた。
「待つしか無いわね、しばらくは」




