第22章 D-m3 完
あの出来事から一年半が経っていた。
六人が最後に入った排水溝の先は地下シェルターの池へとつながっていて、そこには地上から逃げ延びた数百人あまりの人間だけが残されていた。
嵐は一年半続き、その間彼らは地下の施設で過ごす事を余儀なくされた。
各施設の地下に備え付けられたシェルターには、それぞれ数百名程度の人々が暮らすことの出来る施設をもうけていたが、実際のところ何人が生き延びたのかはわかっていない。
デスホールの住人も地下へ逃げ延びた人間が少数ではあるが生き残っていた。
「あれから一年半か、長かったな」
「いよいよね、外に出れるのね」
「どうなっちまったんだろう地上は?」
「なんか、ワクワクするけど、どうしよう変な生き物がうようよいたら」
「あのスノーヴィどもが進化して昼間も歩いていたらたまんねーな」
六人は久しぶりに合うと、午後から試験的に地上へ上がれる初日に立ち会う事が許された。
「スッゲー」
「うわー」
「何だこりゃ」
「まぶしーなー」
数十人の人々がシェルターのハッチが開くと同時に野外へと一歩を踏み出した。
それはまるで人類が初めて月へ降り立ったような感動すら覚えた。
「晴れてるよ、見てみな、雲一つない」
神風は大空を見上げると、あのどんよりとした雲は何処にも見当たらなかった。
「久しぶりだなココロ、お前のおかげだぜこんな気持ちになれたのは」
「ねー見てよあの丘、木も建物もみんな何処へ行ったやったの?」
確かに見渡すと、何処でも視界に入り込んでいた森の木々が一本もなく、ただ広い広陵とした丘が広がっているだけだった。
end




