第22章 D-m3
ウゥーっというけたたましいサイレンが響き渡ると、通路の明かりが何処からともなくポツリポツリと点灯した。
「いたぞ」
侵入者を知らせる声と共に、自動操縦の激しい音が聞こえた。
ババババババッ
「ヤバい」
エアフラクターを九十度近く倒すと、ボディの底にカンカンカンと数発当たる音が響いた。
柱を盾に通路を逃げ回るが、何処が入り口だったか、閉じられた扉は既に鉄のかたまりの巨大な空間の一部とかしていた。
「何処だ、何処だ」
「わかんねーよ、これじゃー見分けがつかねー」
バババババッ
遠くから自動操縦の音が聞こえると同時に、周りの鉄の壁にあたり、様々な金属音を奏でていた。
そのとき、正面の扉が開き、三人の自動操縦をもった男が中に入ってくるのが見えた。
「しめた、あそこだ」
「いたぞ」
ババババッ
正面から撃たれ身を屈めるが、そこら中に弾が当たり、あちらこちらに弾け飛んで行く。
パッン!とスグリーンが粉々に砕け、リヤのファンにも弾が当たると一部くだけて、片方のファンがバーンとはじけとんだ。
ぐらっと一瞬機体が傾くと、そのままその扉へ向かって滑り込むように出て行った、
「右だ右」
体をかがめながらサブローが叫んだ。
「うわ!っ」と、叫び声を上げながら三人の男が左右にひっくり返った姿がスローモーションのように見えた。
「追え、追うんだ」
後方から、数名の叫ぶ声と、自動操縦の音が鳴り響いていた。
「しつこいやろーだ」
「神さん、その先を左に行けば下りの通路に出る」
また数発の銃弾がボディーに当たりはじける音が響いた。
「やばいな、追っ手が来る前に逃げる準備だ」
「おい、聴こえるか、ピーター、カイチ、凪誰でもいい、何処だ何処にいる」
ガガガガっという、ノイズと主にかすかな音しか聴こえない。
「クッソー、このトンネルの中じゃーつながらねー」
また、ババババっと言う音と主に、トンネルの先で弾がはじけて火花を散らした。
「来たぞ、急げ」
地下通路へ出ると、急いで地上へと走り去った。
晴れ間のない空にはいつもと同じどんよりとした薄曇りの絨毯が広がっている。
「戻って来た」
ピーターが入り口の階段に座って数時間の時がすぎていた。
みんなが一斉に立ち上がると、森の中から聴こえる風切り音は次第に大きくなり近づいてくるのがわかる。
突然、バシューンと先の見えない霧の中から森の草むらに向かって勢いよく二人の乗るエアフラクターが飛び出して来た。
「おお、戻ったぜ」
「良かった無事で」
「ココロはどうなったの」
ピーターが暗い顔をして駆け寄って来た。
「ああ、悔しいけど、願いはかなえてやったさ、あいつの為にもな」
「そっか」
ピーターもカイチも皆それ以上言葉をかけなかった。
「それより、急げ見つかった、奴らもすぐに上がってくる」
サブローが飛び降りると、被害状況を確認した。
「健三郎には伝えたのか?」
「いや、まだ整理が付かなくて」
「いいから、急げ急いでここからは離れるんだ」
「神さん、ファンの左が粉々だ、何とか片方のファンでいけるか」
「ああ、いくしかない、早く乗れ」
立ちこめる霧の中を、サンクチュアリを後にした六人は、健三郎のいる廃墟へと向かった。




