第22章 D-m3
「これだ、間違いない」
アーチ型のトンネルは緩やかな上昇する道で遥か彼方までつながっているように見えた。
ココロを乗せた二人は風を切るように猛スピードで走り抜ける。通路の下には多くの動物の骨が散乱していた。
「見えたぞ、行き止まりだ、何処だ入り口は」
入り口と言えば入り口のようなすべてが扉と言えるような複雑に積み重なった瓦礫や鉄くずは、一見一つの固まった要塞のようにも思えた。
「何だこりゃ、どうやって入るんだ」サブローも見渡すばかりで見当が付かなかった。
「どこかが入り口だ、見つけようと思えば必ず見つかるはずだ」
何度か突き当たりの長い通路の外壁を回り、行ったり来たりしていたその時、足もとに気づいた。
「あれだ、あそこだけ人の出入りした形跡がある」
既にうっすらとホコリをかぶっていたが、数日前か数ヶ月前まで人が出入りしていた足跡が鉄くずの壁の前にうっすらと残っていた。
神風はエアフラクターから降り、入り口の前に立った。
風の流れを感じるように手を、積まれた鉄くずの隙間にかざし、風の吹き込み口を探すと複雑に切り込んだ隙間に風の流れを感じた。
「ここだ、その箇所の壁に触れると目の前の鉄くずの山がスッとストレスなく中に入り込むと左側に流れるように扉が開いた。
外の冷たい風が一気にゴーッという音を当てて内部に入り込んだ。そこには広大なエントランスが広がっていた。
まるで鳥の巣の中に入ったようにありとあらゆる鉄くずが壁や天井を埋め尽くしている。
「どこだ」
サブローはココロを抱きかかえ、神風はエアフラクターを中へ入れ、二人はそのまま中へ入ると後ろで静かに鉄の扉が音もなく閉じた。
清とした空気の中、あちこちで瓦礫のきしむ音が響きわたり、小さな隙間からぽつぽつと夜空の星のように光が点々と見える。薄暗い空間の向こう側で何かが行われている様子がうかがえた。
「なんだ、この空間、鉄くずの中に入っちまったみたいだ」
床はフラットではあったがすべて集められた廃材の集積で固められていた。
上も下も横もすべて集められた集積物はまるで自らが寄せ合って出来上がったかのようにひしめき合い、うなり声をあげているようだった。
「神さん、気味悪りーなこの声のような音」
「一体どうなってんだ、何処が天井かまるでわからないな、あの奥の光る場所へ行ってみよう」
遠くに見えた光の場所へフラクターを飛ばして行くと、思ったより距離がありボワっと光る明かりはいつまで明かりの走っても近づいてこない。
「くっそー、やけに遠いいな」
「神さん急げ、ココロが白くなって来た」神風は振り向き、ココロの姿を見ると色が抜け落ちたように、体全体が白く透明になりかけていた。
「ココロ、お前消えちまうのか」
神風はアクセルを全開に握ると、フロントがぐぐっと浮き上がった。
後方では鉄くずの間からホコリが舞い上がりカチンカチンと小さな金属同士がぶつかる音があちらこちらに響いていた。
二人は目の前に広がる光景に唖然となった。アクセルを緩めると、ボワっとした光の先に大きな大小さまざまな窓があき、その先に高層ビルが二、三本は裕に入る巨大な空間が広がり、その壁一面にあのスノーヴィの入ったガラスカプセルがびっしりと取り付けられていた。




