第22章 D-m3
「寒さの限界だわ、これ以上ここにいたら私も凍死しちゃう」
「僕もこんなに寒くちゃ凍死しちゃうよ」翼に続いて凪も弱音を吐いた。
「おい、みんなどうしたんだよ」
サブローが声をかけるもあまりの寒さに体力を急激に奪われ、みんなは体力の限界に近づいていた。
ブラクスノーヴィに近づくだけで自らのエネルギーを吸い取られている事を皆は理解をしていなかった。
「ぼ、僕が悪いんだ、すべて僕が」
目をまっ赤にしたココロが急に大声で叫んだ。
「どうしたココロ、そんな事ないよ」
神風が言った。
「僕がすべて悪いんだ、あのときみんなの事だましてD-m3を持って帰らなかったら今頃みんな幸せに暮らしていたんだ、僕がジークに渡さなければ神さんがみんなの為に街を手に入れることができたのに」
ココロは心の中をすべてぶちまけた。
「そもそも僕が墜落した飛行機に勝手に部品を探しに行ったのが悪かったんだ、あの時みんなにちゃんと話せばよかった、どうしても先に行きたくて、皆さんごめんなさい、僕が僕がすべての原因なんです。
「ココロ、いいよそんな事、もう今は関係ないさ、とにかくみんなで取り戻すんだ」
ココロは話を終えると、エアフラクターにまたがり一人猛スピードで走って行った。
「おい、ココロ何処行くんだ」
神風も後を追うとみんなも続いて後を追った。
「おい、ココロ聴こえるか」
神風は無線で呼びかけるが応答はない。
既に複雑な迷路の中をココロはどこへ行ったかわからなくなっていた。
神風はココロを追いかけているうちに後を付いて来た四台も神風を見失っていた。
「神さん、何処だ、俺も完全にまよっちまったよ」
サブローから無線が入った。
「僕も何処だかわからない、周りは動物の骨だらけだし、寒くてエンジンが止まりそうなんだ」
翼を乗せたピーターからも無線が入った。
「とりあえず戻って上にあがるんだ、ココロは俺が探す、ココロ応答しろ何処だ、凍っちまうぞ」
神風が呼びかけるもココロからは何も返答がない。
「誰か助けてくれ、エンジンが動かない、この寒さでファンが凍っちゃったよ」
雑音とともに凪の声が聞こえた。
「凪、位置は表示できるか?ダメだ、GPSが入らない」
「私ももうだめ凍えそう」
「ピーター、翼と何とかうえに上がれるか?」
「まだ、俺のはファンは凍っていないから、何とかやって見る」
「カイチ、凪を探せるか?」
「今やってる、こっちは大丈夫んだ何とか探すから」
「神さん、何処だ」
「おそらく巣の近くだ、出力が低下している、こっちも時間の問題だ、ココロ戻れお前も死ぬぞ」
「みんな、ごめん、本当にごめん、オイラ今まで迷惑ばかり掛けて、本当にごめんなさい」
「おい、ココロ何言ってんだ、ここで言う話じゃないだろう、早く戻れ死んじまうぞ」
神風は必死に呼び戻そうと訴えかけるが、帰ってきた返答はココロの内心の素直な気持ちだった。
ココロは死ぬきだった。
死んでその死の代償にエネルギーの崩壊を考えていた。
「ココロ、馬鹿な事を考えるなよ、早く戻れお前のエアフラクターも時機に凍っちまうぞ、おい聴こえてんのか?」
「神さん、今までありがとう、オイラのは平気さ、出てくる前に寒冷地に対応できるようにしといたから、オイラは奴の所までたどり着ける、サブさんありがとう、ピーターさんも、色々と気を使ってくれてありがとう、凪さんも楽しかった、カイチさんもいつも冗談言えて楽しかった、翼さんもちょっとしか会えなかったけど、とても楽しかった。みんなありがとう」
「おい、ココロお前何言ってんだ、おい戻れダメだ先に行っちゃ、お前が死んだってどうにもならないんだよ、ココロ他にも絶対何か方法はあるはずだ、ココロ頼むから戻ってくれ」
「ココロ戻れこら」
「ココロ戻れって」
「ココロさん、お願い戻って」
みんなは必死で呼びかけた、全員がその場にいるだけで気力を奪われる地にそう長くはいられない。
限られた時間である事は誰にもわかる状況が続いた。




