表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
D-m3  作者: wata
PR
151/165

第22章 D-m3

でももう何十年も前の話さ、しかもあくまでも噂でしかない」

「俺は見たぜ、多くの動物の死骸を。間違いなくあそこがサンクチュアリだ、もう一度あそこへ乗り込んで糸口を探さないと」

「おもしれい、俺も乗ったぜ!」

神風は熱いまなざしをしていた。長年行動を共にしていたサブローも今日はやけに乗り気で、神風同様に目を輝かせていた。

「僕も行きます、僕が行けば山へ入るのも簡単ですから」

「私も行くわ、なんかわくわくするわね、ネネにお願いしなくっちゃ、彼女が付いていていてくれればきっとまたたどり着けるわ」

「僕もいきますよ」

「もちろん、俺も」

翼に続いてピーター、凪、カイチも加わった。

「よし、そろったな、またみんなで派手にやろうぜ」

神風の言葉に健三郎も心を打たれた。

「参ったな、君たちには負けたよ、いいだろう俺たちも強力しよう、出来る限りの情報も提供しよう、ただし必ず全員生きて戻れよ」

六台にまたがった神風達は死の聖域、サンクチュアリへと向かった。

D地区南南東の山の裾野に位置するその場所は地下の街から沸き上がる冷気が暖かい地上の空気とぶつかり、常に一帯には濃い霧が立ちこめていた。

その霧は晴れる事なく辺り一面を支配し、そのせいもあって場所を特定される事がなかった。

「もうすぐだぞ、この霧の中へ入ると行き先を見失うから、離れるなよ」

六台はフォグランプをつけながら霧の立ちこめる森の中を進むとそれは突然現れた。

船の帆先のような先端から地下へ降りる階段がぽっかりと口を開けていた。

真っ暗な地下の街の上部には真っ白な霧が立ちこめ、まるで天国から地獄への階段へ続く道にも思われれた。

「ここですか?」静かにエアフラクターを停めると、ココロが身震いした。

「なんか空気まで凍っちゃった感じですね」

「まるで地下牢に入って行くようだわ」階段から吹き上がる冷気で翼は身震いした。

「下は迷路だ、まともに降りたらみんなバラバラになっちまうぞ、どうする神さん」

「このまま行くしかないだろう」

六台のフラクターはゆっくりと階段のある地下への道を降りるとサンクチュアリが一望できる場所へと降りた。

「また来たね、嫌な場所」

 そう言うと翼は身震いした。

「行こう」

記憶をたどりD-m3のあった場所まであちこちを回りながらたどり着いた。

「見ろよ、前より氷が広がってる」

「なんだここ、寒すぎるよ」凪が辺りを見回すと身を引きしめた。

「あそこだ、あそこにスノーヴィがいる」

指を指した場所は放射状に一点の場所から氷が広がっていた。

それはまるで蜘蛛の巣のように中心から円を描き、複雑な情景のすべて凍った場所だった。

「あれってブラックスノーヴィの巣なの」ピーターが恐る恐る聞いた。

「ああ、あそこだけじゃないこの場所すべてが奴らの巣だ」

地下全体を見渡すと所々に氷の蜘蛛の巣のような白い固まりがいくつか見て取れた。

「凄いよ、この街巣だらけだ、こんな所入ったら生きて出られないよ」

凪が声を上げた。

「ちょっと今回ばかりはヤバいような気がするかな」

カイチも続けざまに言うと「行きたくなければ家に帰ってエロ本でも読むんだな」

ピーターが皮肉な笑いを浮かべながら言うと、「お前だって女の前でカッコつけるくせに本当は何も一人で出来ねーだろが!」

二人はあまりにも凄い光景を目の当たりにして言い争いを始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ