第22章 D-m3
「決まりね、もう一度初めから出直しってとこね」
「あーそうだな、俺は絶対あんな奴らに支配されない、デスホールから脱出する為にも出来る事はあるはずだ」
「ごめんなさい、神さん、オイラのせいでこんな事になっちゃって」
また大粒の涙を流しながらココロが叫んだ。
三日後、みんなは小さな飛行場跡地に集まると、ココロが古い一機の飛行機を何とか乗れる所まで仕上げていた。
「ココロ、これ三日で仕上げたのか?」
「うん、この半年ずっと強制的に色々と直していたから、要領が良くなって来たんです」
「さっすがだな、ココロ」サブローが肩を叩いた。
帰って来たココロを含め、翼を含む七人は、再び健三郎の住む広大な廃墟の畑へ着陸する事を試みる事にした。
「行くぜみんな、久しぶりにぶっ飛ばすぜ」
キャッホー
「付いてこいよ」
サブローが奇声を上げながら神風の後に続くと、二人乗りに改造したピーターの機に翼が乗り込み、凪の機にカイチ、ココロの三日で組みあげた機にサブローとココロが乗りこみ、飛行場を後にした。
「久しぶりだな、こうやってみんなで飛ぶの、いっちょ腕試しと行くか!」
神風はいつもの自分に戻ったような気持ちだった。
「目的がちょっと違うと思うんですが?」
無線から、心細い声でココロがいつものように弱気をはいた。
「まー、今日はココロに免じて直行便と行くか」
無線からは笑い声が響いていた。
大空には珍しくあきの装いを纏った薄い雲が空高く一面を覆っていた。
「見えたぞ、あの畑だ、スペースは十分、障害物もない、ただちょっと地面が柔らかいかもなタイヤ取られないように気をつけてくれ」
既に使わなくなっていた、健三郎達の開墾した畑に次々と着陸すると、「おい、見ろよあのネット、まだ何もかかってねーぜ」
サブローはいつか見た光景を思い出し、あのときとは違った自分がそこにいる事に気づいた。
「行ってみよう」七人は畑を抜け廃墟の奥へと入って行った。
「健三郎さん」
翼は階段を駆け上がると、奥で話をしていた健三郎を見かけ走りよった。
「また来たのか、ま、来るとは思っていたけど」
「お久しぶり」
「ああ、神君、残念だったな、話はエンジンマウンテンの仲間から聞いたよ、あの用心深いジークも騙されたってことだな、やはりエゾの考えている事には関わらない方がいい」
「それで、今回の目的はまさか、ここに引っ越して来た訳じゃないだろうな」
健三郎が軽く笑った。
「えー、いや、その、取り返そうかと思って、D-m3を」
「何を馬鹿な事を、君たちが手出しできる相手ではない」
「わかってる、わかってるけど、このまま引き下がる訳には行かないんだ、ここに来てくれた仲間もそれを望んでいる、出来るさきっと」
「しかし、あの山の中で既に最終段階に来ているって話だ。
そんなもの取り戻すっていっても技術者でも難しだろう」
「ああ、わかってるさ、だから一度ぶっ壊してチャラにしてやるのさ、そしてまた探す」
「あの山をぶっ壊すって」
「あっハハハ、その話はとても面白いがね、現実的ではないな、あんな巨大な山はそう簡単にぶっ壊せはしないよ」
「どんな無理なんことでも、可能にするさ、せめて開発だけでも停めてやる」
「まいったな、本気か、神君」
「本気さ、それで聞きたい事があって来たんだ」
「わかった、負けたよ、で、何だね」
「あのブラックスノーヴィって奴は捕まえられないのか?」
「以前、ジークの連中がスノーヴィ捕まえて、エネルギー省の連中に闇で売ってるって話をしていたでしょ、そこに紛れ込ませたいのさ」
「それは、無理かな、捕まえる前にみんなが死んでしまう、見たんだろ、セナの友人が一瞬で凍りついたのを」
「ああ確かに見た、でもあいつを何とかしてでもあの山に運び入れたいんだ」
「そーはいってもな、私だって見た事のないスノーヴィだからな」
健三郎はそう言いながらも、一つの仮説を立てた。




