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D-m3  作者: wata
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第22章 D-m3

「あーあ、なんて事ですか、こんなときでもオイラは最後なんですかね」

ココロは寂しげに独り言を言うとようやく夕方近くになって森を抜け、二十三施設のゲートにたどり着いた。

「ここですね、でもどうやって入るんですか?しかしでっかいな、なんかなつかし感じがしますね」

そう言いながら辺りを見回すが、誰一人そこにはいず、先程のジーク一段も跡形なく片付けられた後だった。

ココロは途方に暮れながらも辺りをうろうろするが、既に外は真っ暗になり身動きが取れなくなってしまった。

「あーあ、ここも閉めだしか、神さんやみんなに会わせる顔もないし、どうしたらいんだオイラは」

そう言うと、ゲートの隅でうずくまり静かに眠りについた。

「もう二十三施設が出来上がっている頃だな」

「ああ、あれから三ヶ月か、相変わらずこの中は季節感ねーな、どうだよ凪、夏がおわっちまったぜ」

神風がコーヒーを飲みながら外でお客さんの対応をしている凪に声をかけた。

「あれから三ヶ月か、あーあ、なんにもかわらねーな、俺の人生は」

「少しは本でも読んだら変わるんじゃねーの」

カイチがサブローの話を折ると、「うるせーなこの野郎、お前だって何も変わんねーじゃねーか」

相変わらずキレやすいサブローが大声で怒鳴るとまたみんなが一斉に笑った。

「ココロもあれ以来戻ってこないし、なんかスッキリしねーよな」

神風はそう言うと、コーヒーを飲み押した。

「やっとお客さん帰ったよ、なーなー、今聞いたんだけどさ、あのエネルギー完成するらしいんだよ、それとあの二十三施設、なにか変らしいんだ、今来たお客さんの話だと、未だに誰も人が入ってないらしんだ、どうやらあのジークて奴ら来てないらしいんだよ」

「なんかそんな話聞いてもうれしいんだか悔しいんだかわかんねーな」

サブローが言った。

「もう俺は忘れたぜ、またがんばればツキが回ってくるって」

神風は飲み終わったコーヒーカップをテーブルの上に置くと、凪の肩をポンとたたいてのれんをくぐり外へ出て行った。

「神さん」、

突然建物の隅にたたずむ少年から、声をかけられた。

「こ、ココロお前どうしてここに」

それはココロだった。髪の毛はぼさぼさに伸びてまるで浮浪者のような恰好でたたずんでいた。

「僕、神さんやみんなに会いたくて、でもどうしたらいいかわかんなくて」

ココロの目からは涙があふれていた。

「ココロ、大丈夫かお前、なんでここに居るんだ、奴らはどうした?」

ココロはその場に泣き崩れると、しゃべる事すら出来ずに嗚咽を吐いた。

その声を聞いた四人が一斉に中から飛び出して来た。

「ココロ、テメーどの面下げて戻ってきやがった」サブローがココロの胸ぐらをつかみ上げると、殴り掛かろうとした。

「止めろ、サブ」

「だってこいつ、あの赤い玉もって逃げたんだぜ」

「わかってる、わかってるよ、でももうすべてが終わったんだ、今更ココロを攻めたってしょうがねーだろう」

神風はサブローを諭すと、ココロを立たせ金魚屋の中へ再び戻って行った。

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