第22章 D-m3
第22章 D-m3
数ヶ月後
「エゾ様、やはりあのD-m3は偉大なエネルギーを温存しているようで、ようやく組み上げに成功しました。
この数値を見てください」
プロジェクトリーダーの高木はレベル数値の高さを見せた。
「良い出来だ。いよいよその時が来たようだな」
「はい、エゾ様が絶大な神の力を持つのも時間の問題かと思われます」
「いいだろう、大佐をここへ呼べ」
間もなくすると、エンジンマウンテンの特別管理室に剛田大佐がやって来た。
「エゾ様、お呼びでしょうか?」
「みろ、このエネルギーを」
そこにはD-m1,D-m2,D-m3が組み上がった不思議な人工ロボットのような固まりに数百本細い管が取り付けられ、まるでそのガラス管かに覆われた筒の中で生命が誕生するかのように、小さな爆発や分裂が起こり、機械で出来た小宇宙の誕生のようだった。
「見たか、これが人類創世のエネルギーだ、ここから新たな生命が誕生する、そして私は神になる、いいか大佐、これからは新たな世界が始まるのだ。
どうだ、楽しいだろう」
「はい、エゾ様ますますのご発展を祝福する次第です」
「ふ、分かったような口を聞くな、ところで二十三施設は完成したのか?あの場所は特別にこのエネルギーから生まれた新たな生命の世界を造る、どうだ大佐、意義はあるまい」
「は、お言葉ではありますが二十三施設はD-m3を手に入れた者への報酬とお聞きしていましたが」
「フ、確かジークとか言う盗賊が権利を手にしたとか聞いたが」
「はい、その通りでございます、彼らは明日にでも新しい住処へ移る手はずを整えているかと思います」
「そうか、それは都合が良いではないか、明日全員始末しておくがいい、どうせろくな使い方はしないだろう、二十三施設は神聖な場所だ、足を踏み入れ前に跡形もなく始末しておけ」
「エゾ様しかし」
「しかしなんだ」
「いえ、かしこまりました」
大佐は奥歯をぎゅっと噛み締めると頭を深々と下げ退出した。
「なんて事だ」
大佐はそのまま治安局へ戻ると、特殊部隊の十名を連れてジーク一団を二十三施設へ誘導するという目的で二十三施設の入り口へ配備させた。
「諸君、これから言う私の話を聞いてくれ、明日、ジーク一団がここへやってくる、しかしこの二十三施設へは入れる事が出来ない」
「大佐、それはどういう事ですか?」
隊員の一人が大佐に質問をした。
「エゾ様からの命令だ、この施設で新たなエネルギー開発の誕生の場になる、その為に、その為に一人残らず消えてもらう」
大佐も言葉を詰まらせながら、ジークといえども不条理な出来事を受け入れなくてはならなかった。
「ジークは私が殺る、みなは交戦にならによう良い仕事をすれば良い、いいな」
大佐はそう告げると、それ以上の言葉を発する事はなかった。
隊員達も誰一人として、その事に口を開く者はいなかた。
「明日だ、いよいよ明日が来るぞ」
「オー」
ジークは雄叫びをあげると、一気に酒をあおった。
「ココロ、お前には上等な場所を与えてやろう、いいな、その前に明日の準備をしておけ、乗って行ける物はすべて直しておけ、分かったな」
ジークの手下が全員宴をあげる中、ココロ一人壊れて動かなくなったファンのシャフトを直していた。




