第21章 不思議な出会い
「いや、何か裏があるはずだ、俺はそう信じたいよ」
神風はコーヒを一口飲むと凪に語りかけた。
「あいつ、変わっちまったのかな?くっそー俺が墜落機なんか見つけなければこんな事にはならなかったのに」
「神さん、それは違うよ、これはココロの問題だ、僕たちは僕たちで精一杯生きている中で起こった出来事だから、きっとココロだって本当はこっちに戻りたいに決まってるさ」
「そう信じたいけど、一度戻って来たココロがまたジークの所に戻るなんて、だから俺にもわからねーのさ今思えば変だよな、ひょっこりココロが現れてジークから逃げて戻って来たなんて、俺たちは大喜びしてさ、ココロにもD-m3を探し当てた事を一緒に喜んでもらおうと思ってさ、そしたらあいつ、本当に喜んでたよ、「やったですね」ってでも次の朝起きたら赤い玉ごと消えてしまったってわけ、まー誰も疑いはしなかったよ、まさか、ココロが俺たちからD-m3を盗んで行ったなんて」
「でも、何かの間違いじゃ何のか?例えば脅されていたとか?」
「今思うとそうだったのかも知れないな、それならそうと、なんであいつ話さなかったんだココロ」
神風は裏切られた気持ちと、ココロの事を思う気持ちが混ざり合い、複雑な思いが頭の中を巡った。
「は〜あ、やっと戻って来たぜ、居るか誰か?」金魚屋の入り口からサブローの大声が聞こえた。
三人は、疲労感を感じさせる程の重たい足取りで部屋の中になだれ込んできた。
「あ、神さん、良かった、間に合ったんだ、で、どうした、手に入れたか?あの玉を」
サブローは入ってくるなり神風の顔を見て話しかけた。
「いや」椅子に座りながら、ちらっとサブローの顔をみると、素っ気なく首を振った。
「ど、どういう事だよ、ココロに会わなかったのか?」
「いゃ、会ったさ」
「じゃーあの玉受け取ったんだじゃねーのかよ」
「いや」
「いやじゃわかんねーよ、あいつ何処に居るんだよ、まさかあいつも間に合わなかったのか?」
「いや」
「だからさ、どうしちまったんだよ、神さん」
神風はそっとコーヒーカップを持ち上げゴクリとひとくちコーヒーを飲むと、すべてのいきさつを話した。
「やっと戻れてって言うのに、もう足ががくがくだわ」
椅子に座る事もなく、その場にへたれ込むと翼はうなだれた。
「あー、夢破れたね」
「ちっきしょう、ココロのやろう、何のつもりだ」サブローは怒りで顔を真っ赤にした。




