第21章 不思議な出会い
「ココロの奴、何考えてんだ、みんなで見つけた物を一人で持って行くなんてお前も仲間だろう」
神風はココロの事を心配しながら先を急いだ。
「正午まで後一時間か」
約束の時間は正午ぴったり、一度は手にしたD-m3をココロに持ち去られた上に、ぎりぎりの時間になってようやく二十三施設の中へ入った。
「クッソー、後十分かよ」
神風はココロを探すが、あまりの人の多さに先を進む事もままならなかった。
「ちょっと、ちょっとどいてくれ」
人をかき分け、先へ進む神風。
「ココロ、何処だココロ」
大声で叫びながら会場の中央へ近づくと、正面大きなスクリーンにデジタルカウントが残り三十秒を切っていた。「
ちょっと中に入れてくれ、俺がDm-3を見つけたんだ、今友達が持っているから中に入れてくれよ」
ちょうどその時カウントがゼロになり、画面が赤く染まり終わりを告げた。
閉ざされたゲートで神風は必死に叫ぶも、エネルギーを持ち帰らなかった者は門前払いだった。
八区をのぞく十一組のうち、D-m3と信じて持ち帰った者はわずか四組だった。
「ココロ、ココロは何処だ、神風は叫ぶも大衆の熱気にかき消され、無念にも時間だけが過ぎていった。
「さー、いよいよこのときが参りました」
場内アナウンスが鳴り響いた。
「勇敢にも三十日で戻って来た組はなんと四組、それぞれがD-m3と思い持ち帰ったエネルギーを見せるときが来ました」
「では、こちらへどうぞ」
観衆がざわめく中、メインゲートの奥に造られたステージに、バックヤードから階段を上る四組が現れた。
ステージの前に集まった観客が一斉にどよめいた。
「一組目は三区、二組目は六区、三組目は十区、四組目は」
呼ばれるたびに、歓声が上がりそれぞれ順番にの持ち帰ったエネルギーを見ようと、埋め尽くされた会場はひしめき合い、神風も人々の観衆にもみくちゃにされ、会場をまともに見る事さえ出来なかった。
その時、四組目がコールされた。
一瞬会場は水を打ったように静まり返ると、今までとは違うどよめきが会場を埋め尽くした。
「だれ、誰なんだ」
観衆に阻まれ、神風にそのコールは届かなかった。
会場をにぎわすどよめきから、「ジークが取りやがったか」と言う声を耳にした。




