第21章 不思議な出会い
「おい、翼起きろ、翼、大丈夫か?」
やっと翼も正気を取り戻し、目をゆっくりと開けると、「あれ、ここはどこ?やだ、私寝てた?」と先程までの事をすっかりと忘れているようすだった。
「ああ、よく寝てたよこの寒いのに、さあ、今のうちだ、スノーヴィが生まれる前にここを出ないとまた氷に覆われちまう、ちょっとこれ持ってくれないか」
神風が翼にD-m3の赤い玉を渡すと、辺りが急に暖かくなり、足下の石畳の隙間からニョロニョロと草が伸び始めた。
「え、何これ不思議」
翼はその瞬間に驚いた。
神風は、セナを担ぐとピーターとサブローのいる場所へ向かった。
「これね、本物のD-m3って、凄い、やったじゃない、ついに手に入れたんだ、それにしてもほんとキレイ、何なんだろうこれって」
翼は穴があく程赤い玉を覗き込み、大喜びしながら高くD-m3を掲げると、D-m3は一層強く輝きを増した。
「サブロー、大丈夫か?」
「ああ、何とかな、おい、神さん、そいつセナじゃねーか」
神風が担いでいるセナを見つめると、顔から殺気がにじみ出ていた。
「サブ、今は止めとけ、こいつはもう力つきてるよ、ブラックスノーヴィに魂吸い取られちまったんだ、正確に言うと、吸い取られた仲間に触れたら自分も吸い取られそうになったてとこだな」
「もう一人はどうしたの」そうピーターが聞くと、「だめだった、凍っちまったよ、そのうちそいつから新らたなブラックスノーヴィが生まれるよ」
「そっか、それで、手に入れたのか、例のD-m3は」
「見てよこれ」
翼がサブローとピーターの目の前に赤い玉を差し出した。
「す、すっげー、これがD-m3か」
「やったね翼ちゃん、ようやく手に入れたんだ」
二人の顔が笑顔なった瞬間だった。
「やったよ、やったんだ、ついに俺たち手に入れたんだ」
ピーターが翼の手を握ると大喜びして、はしゃぎだした。
「おい、ピーター、オマエは何もしてないだろう」
サブローが左手で撃たれた右の方を押さえながら笑った。
「まあ、そう言わないで、でも早くここから出た方がいいよ早くしないと」
サブローの手当を早く施さなくてはいけないのと、セナもこのまま放っておけばいずれは力尽きる事は分かっていた。
「俺は放っておいてくれもう大丈夫だ」
か細い声でセナが話に加わってきた。
「ああ、お前が元気ならそうしたいけどな、そんな体じゃー放っておいたら死んじまうよ」
神風はもう立ち上がることも出来ないセナを見つめた。




