第21章 不思議な出会い
「てめーやめろー」
また、何発か発砲するが同様に弾は氷に突き刺さるだけで意味を持たなかった。
その時、既に脳に寄生を終えたブラックスノーヴィが、スッとケイから離れると、その場から離れ、円形の氷ついた壁の割れ目へ吸い込まれるようにして姿を消した。
「あいつ、何処行った、消えやがった」
セナはスノーヴィがその場にいなくなったのを見計らうと氷の壁を滑るように下へ降りていった。
「セナ、だめだまだ早い、お前も死ぬぞ」
神風はとっさにセナに声をかけた。
セナはそんな神風の言葉に耳を傾ける事もなく、氷の滝を滑り降りると、ケイに近づいた。
「ケイ、おい、ケイ」ケイにセナが触れた瞬間だった。
「ウォ〜」と言う悲鳴が聞こえたと思ったら、セナも痙攣を始めその場に倒れ込んでしまった。
「セナ、おい、セナ、そいつから離れるんだ、そいつはもうスノーヴイになりかけているから離れるんだ
」セナは全身を小刻みに痙攣させながら、二回転程横に転がり、その場で膝を抱えるようにして丸まってふるえていた。
「セナ」神風は声をかけるもせなは激しい痙攣でその場にうずくまったままになってしまった。
「クッソーこうなりゃやけくそだ」神風はそっと翼をおろすと、一機に氷の滝を滑り降り、赤い玉に向かって走り出した。
神風が赤い玉に近寄ると、その周りだけ氷はなく、ほのかに暖かみを帯びていて、地表からは緑色のうっすらとした草が生えていた。
「これか、D-m3は」
しばらく神風はその玉を見つめた。
「頼む、俺の元へ来てくれ」
神風はネネの言葉を思い出し、自分の気持ちをD-m3に伝えると、ポッと一瞬赤く光るくなった。
神風の立っている場所の氷も一瞬にして消えてなくなった。
「すげえ、これがこの力か」
神風は自分の周りを見渡した。
その周りだけ、うっすらと緑色の草がはえ、まるで芝生のグランドに立っているようだった。
神風はそっと赤い玉を両手に持つち、覗き込むように赤い玉を見つめると、その中にはうごめく赤いマグマのような強いエネルギーが詰まっているようだった。
「これが、これがD-m3か、手に入れたぞ」
神風はその玉を持ちセナの元に歩み寄ると、歩いたその場の氷がとけ、すぐさま、緑色の草が生えた。
「おい、セナ大丈夫か」
左手に赤い玉持ったまま、右手でセナの肩に触れた瞬間、セナの震えが止まり、だらんと体の力がぬけ気を失いかけた。
「オイ、セナ、セナ、しかりしろ、オイ」
何度か体を揺すられてようやく目を開けたが、すべての気力を吸い取られたような顔つきに変わり、もう先程までのセナの勢いは感じられなくなっていた。
「おー、神風俺は生きているのか?」
「ああ、そうだ、何とかな起きれるか?」
神風はセナに肩を貸すとようやく起き上がらせ、どうやって上まであがろうかと赤い玉を氷へ近づけると目の前の氷が溶け出し、階段が現れた。
「おお、これはこれはありがたい、よし、セナ行くぜ!」
セナに声をかけると、階段を上がり翼の所へ歩み寄った。




