第21章 不思議な出会い
神風たちが降りて来た広場から半円を描くように五十メートルもいった先の同様の場所に二人の人間の姿があった。
「セナ」と思わず神風が叫んだ。
「お前達は何かいい物を手に入れたようだな、その光っている赤い物は何だ、D-m3と関係があるらしいな」
「オマエには関係ない事だ、探したければ勝手に探せ」
「そうはいかない、お互いにここまでたどり着いたんだ、協力して探そうじゃないか?お互いの未来のために」
セナの声は円形のホールに響き渡っていた。
「その手に乗るかよ、オマエらにはたっぷりと借りがあるからな」
神風も響き渡るような声を張り上げた。
「いい度胸だ、ならばここがお前達の墓場になるだけだ」
セナは笑いながら拳銃を腰から抜き、正面に構えると、パンと一発発射した。音がホール内にこだまして、何重にも響き渡った。
弾は神風の頭上の岩に当たってどこかへはじき飛ぶと、石のかけらがパラパラと目の前に落ちて来た。
一瞬四人は身を屈め、緊張感が走ったがそれ以上セナは撃ってくる気配がないとわかり身を起こすと、既にセナの姿は消えていた。
「クッソーセナのやろうもここに来やがったか」
さっきまで身震いしていたサブローは怒りに満ちた表情で辺りを見回していた。
「あいつらきっと力づくで奪いにくるぞ、どうする、先に俺たちが見つけないと、D-m3はきっとこの中のどこかにあるはずだ」
「そうね、このペンダントがやっと役に立つときがきたわ、さっきから輝きが変わって来たもの、近いのよきっと」
翼はセナの言葉を気にもかけずに、赤い玉を見つめていた。
四人は足早に降りて行くと、辺りに気を配りながら先を急いだ。
「ここからは俺たちが有利だな、このペンダントがきっと案内をしてくれるさ」
四人はセナ達を警戒しながらも複雑な迷路を下ったり、登ったりさまよい歩いた。
その建物はあまりに複雑で、いったい自分が今何処にいるのさえ分からないぐらい同じ作りが繰り返され、アーチ型をしたトンネルの外側の景色は何処も同じように、枯れた長いツタがぶら下がり、何処も冷気が充満していた。
「なんか、ますます寒くないか?」
「俺、凍っちゃいそうだよ」
ピーターが歯をガチガチふるわせながら言うと、「さっきの入り口よりさらに冷え込んでるよ、なんだか気分も悪くなってきたぜ」
サブローも同様にどんよりとした顔つきであからさまにペースを崩していた。
「きっともうすぐだ」
胸のペンダントは赤く輝き、何かに近づいている事を示した。
その時だった、また風が吹き抜けたと思ったら「その先へ行っては行けない、チャンスが来るまで待つのよ」とネネが語りかけて来た。
「今のは?」と神風が振り向くとサブローとピーターは先程と同じようにキョトンとした顔で神風を見たが、翼だけは強く「うん」とうなづいた。
「ねえ、どうしよう、きっとこの先に危険が待ってるわ、でもどういう事かしら、まだ何も見つけていないのに、いったいその場所は何処なの」
「ああ、そうだなせめて何か手がかりを見つけるまでは探しまわるしかない」
「でも、行ってはいけないって」
「だれが行ってはいけないなんて言ってんだ?」サブローが口をはさんだ。
「寒いから早い所行こぜ、動かねーと凍え死んじまうよ」
既に四人の吐く息は真っ白だった。




