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D-m3  作者: wata
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第21章 不思議な出会い

「何よあいつら、これがD-m3ですって、冗談じゃないわ」

翼は足下の小石を拾い、燃えている液体に投げつけると、石が火のついた液体にぶつかり、ボワッとさらに強い火柱をあげた。

「うわ」四人は思わずのけぞると、炎は勢いを増した。

「この液体、刺激を与えると火が強くなりやがる、飛行機の燃料にしたら、ジェット機にならねーかな」

サブローが笑いながら、炎を見つめていた。四人はそれ以上関わるのをやめてさらに南へ向かって行った。

「しっかし、あれがD-m3かよ、花の蜜だぜ」

「まー、信じる奴にはそれが最も有効的な物になるんだよな、でもD-m3ってなんなんだ、きっとこいつと何かつながりがあるはずなんだけどな?」

神風は健三郎が渡してくれた何処までも赤く透き通る玉を炎にかざし、「きっとこいつが答えてくれるさ」とピーターの方をちらりと振り向くと「全くなんかむかつくわ、あの二人、なんなのよあの勝ち誇った態度」とぶつぶつとピーターに当たり散らしている翼の姿が見えた。

ピーターはピーターで「そ、そうだよね、全く、ほんとだよ」といいながら、翼の機嫌をなだめようと顔をしかめながらハンドルを握っていた。

「しっかし、変な森だな、絶対何か起こりそうな気がする」

神風は湿地帯を見つめ、山の裾に広がる木々の間からチラチラと見える山の頂きを見上げると、まるで滝から流れ落ちる水しぶきのように、めまぐるしく雲が流れていた。一瞬山の肌がみえた瞬間、そこは大規模なプラントのような山肌だった。

「本当だったんだ、この山って過去の遺物でできているって、今でもこの中はこの異物からエネルギーを抽出してるんだろうな」

「そうね、ネネが言っていたわ、この中はまるでひっくり返した鳥の巣のようだって、すべて必要な物かくみ合わさって出来ていて、一つでも欠けると崩れてしまう程もろいものだって。外見からは想像もできないわね、あの中で一生働く人がいるかと思うと一度でいいからこちらの世界に出たくなるのも無理はないわね。私だったらすぐに逃げ出すけどな、そう思わないピーター」

「え、ううん、そうだよね、いつも空から遠目で見ていただけだったけど、こんなに凄いなんて思わなかったよ、俺は鳥の巣って言うより、解体工場によくある積まれた鉄くずの山がでっかくなっただけにしか見えないけどな」

「あらそう、夢がないわね、鳥の巣では新しい命が育つののよ、この山だってきっと何か新しいエネルギーが今でも生まれてるってことじゃない」

「そうとも言うね、でもさ、ねひっくり返ったら卵は落ちてつぶれちゃうんじゃないの」

サブローが人の気持ちも考えない態度でさらりと言って退けると、翼が「ムカ!」っと一言いうとピーターのお尻にけりを入れた。

「痛て、なんで俺が蹴られるんだよ、言ったのはサブローだよ、翼ちゃん」

みんなはまた大笑いをしながら流れる雲を見つめていた。

「行かなきゃ先へ、俺たちの見つける物はきっとある、やっと分かって来たよ、ネネが言っていたこと、人はそれぞれ感じる事、思う事すべて違うんだ、だから自分は自分で素直な心に戻れば欲しい物は必ず手に入るって言う事を」

その時、風がさらりと流れた。

その風はネネだった。

「見つけ物は必ず見つかるわ」

「え、なんか言ったか翼」

「いえ、何もなんで?」

「いや、今必ず見つけ物は見つかるって誰かが」

「フフ、ネネよきっと、言ったでしょ、ネネは何処にでもいるって」

「本当かよ、でも確かに風が言ってたな今」

神風は心の中でにやりと笑った。

「行こうぜ、俺たちの見つけ物を探しに」

「ああ、必ず持ち帰らねーとな」

雲はいっそう流れを増していた。

森の標高は高くなるに連れて、雲の中へ入って行った。

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