第21章 不思議な出会い
そこからは焼いたパンの上に乗せたバターのような香りが漂い、きっとなめたらおいしそうだろうという香りが漂っていて、その蜜の鮮やかな琥珀色の液体は、誰もが手を伸ばしてしまう程の魅力的な誘いを醸し出していた。
「やめろ、触るな」
突然背後から叫ぶ声が聞こえると、二機の小型のエアフラクターに乗る二人がやって来た。
「おまえたち、それに触ってはだめだ、そこから離れて陸へ戻るんだ」
「すまん、突然どなって悪かったな、俺は十区のリオ、こいつはレオ、顔が似てるだろ、双子の弟なんだ」
リオとレオは隣の区にで暮らし、同じエネルギー探しにかり出された二人だった。「あ、俺知ってるよ、あの集合場所でお揃いの服着ていた双子だ」
ピーターが2人に指を指しながら話した。
「ああ、あのときは俺たちストライプのつなぎ着てたっけな」
二人はニコニコと笑いながら顔を見合わせると、「君らは?」っと聞いた。
「あ、俺は神風、こってはサブロー、この二人は、今回助っ人って所かな」
彼はピーター、そして彼女は翼」
「女の子がよくもまーこんな危険な所にくるもんだね」
危うく溶ける所だったよ、君たち」
「それはどういう事、あの花は一体何なの?」
翼がちょっとむかついた態度で聞き直した。これは、俺たちが見つけたD-m3さ、間違いないあの花の液体はとんでもないエネルギーさ、爪ひとかけらの量でそこに生えている木を二、三本は吹っ飛ばせる威力を持っているのさ、もう我々が先に見つけて既に取り出す事にも成功している。
これだけの花があれば一生遊んで暮らせるさ」
「D-m3ですって、これが?」
翼が腰に手を当てて、あきれた様子で2人を見つめた。
「そうだ、まぎれもない新エネルギーだ、君たちには分けられない、これはすべて我々の物だ」
「ちょっと待ってくれ、分かったから、俺たちはこの花には興味がない、でもなんでそれがD-m3なのさ?」
「なぜって、これは偉大なエネルギーだからさ、周りに流れる液体はおそらくあの山から流れ出している物だろう、あの花はそんな環境の中でも溶けずに、この液体の中かから生まれて来た特別な花って事だ、その真ん中にたまる液体こそさらに特別なエネルギー、D-m3さ、この液体に火をつけるととんでもない威力を発する、さっきも言っただろう、見せてやろうか?」
とリオが四角い木のケースからガラス製の小さなボトルにつめられた蜂蜜状の液体を持って来た。
「どうだ、これが回収した液体さ、取り出すのに苦労したんだぜ」
っといいながらコンクリートの倒れた塀に少しだけこぼすと、マッチを擂りその液体めがけて放り投げると、ボワッと一瞬目の前が炎の明かりで目がくらむ程の火柱をあげた。
「これはあの少量で三日は燃えているよ、とんでもない液体さ、わかったろ、これがD-m3に間違いない、これで俺たちは大金持ちってわけだ」
二人は高笑いを浮かべながら勝ち誇った顔をしていた。
「なるほど、これは凄いな、おめでとうと言いたい所だが俺たちが探すD-m3とはちょっと違うかもしれないな」
神風がそう言うと、「どう言う意味だ?これは俺たちが見つけたエネルギーだぞ、奪い取ろうって言う気か」
「いや嫌そうじゃない、まだ他にあるかもしれないって言っているだけだ」
神風は殺気づきそうな二人に向かって興味のない事を告げると、これ以上花には関わらない事を告げた。
「俺たちはまだ先を探すよ」
「ああ、そうしてくれ、幸運をいのるよ」
リオとレオはそれ以上しゃべる事なく、湿地帯の奥へと行ってしまった。




