第21章 不思議な出会い
「サブ、ピーターヤバいぞ、すぐに降りろ、急げ早く」
木に穴をあけた赤い光線が次々と足下を襲い始めた。
「急げ早く!」
ピーターと翼が待つ場所まで二人は全速力で走って逃げた。
足下や周りの木や石や岩にはピシュッ、ピシュッという音とともに小さな煙が立ち上った。
先程二人が立っていた場所の数メートル先の岩が突然二つに割れたかと思ったら、手足を動かすようなロボットアームが現れ、行く手を阻むかのように立ちはだかった。
二人はエアフラクターに飛び乗ると、慌ててもと来た道を下りその場を立ち去った。
「あの、レーザー照射が侵入を阻止してるんだな、危うく体に穴があく所だったぜ、おそらくすべての道にあんなのがあるんだろうな」
「参ったね、どうする神さん」
「考えたて仕方ないだろう」
とにかく開けた場所は危険すぎる、もっとどこかに通りやすい道があるはずだ」
神風とピーターはまだ崩れてそう月日の経っていなさそうな崖崩れを探して、さらに南へと進むと、数カ所古い崖崩れの後があった先に崩れた岩壁の岩盤がさらに覆い被さるように崩れている新しい場所を見つけた。
「ここは行けそうだな、見ろよあの崩れた壁、草も生えてねーぜ」
サブローが高い崖の切り立った見上げながら、細かな部分までチェックし、当たりを見渡した。
元々崩れていた場所には数年は育っている木々がはえていたが、崩れた岩の右側面が大きな一枚岩ごとはがれて木々の上に覆い被さるように崩れると、所々に砕けちって木々をへし折っていた。
見上げると、上部のはがれて横倒しになった岩盤が、急なスロープを作り出し、土砂が流れ出した後が見えた。
「ここなら何とか行けるかもしれない」
「おそらく、右側にあるはずの仕掛けはあの崩れた岩のせいでつぶされているはずだ、問題は左側のどの辺りにあるかだな」
「エアフラクターの出力全開でも二メートルも地上から浮き上がらないだろう」
しかし、あの一枚岩ならフラットな面が多い、手前から加速してトップの一枚岩の斜面をジャンプ台のようにして、すっ飛んで行けば森のどこかに着地できるだろう、ま、その先に森があればの話だ」
「マジか、神さん」
サブローの顔がこわばった。
「ピーター、行けるか?あの崩れた斜面をジャンプ台だと思って一気に駆け抜けるだ、それしか突破する道はない、あのレーザーはおそらくこの崖一帯に張り巡らされているはずだからな、いっちょ派手に行こうぜ」
神風の顔からは先程の不安な色は消えてどこか底抜けに明るい笑顔に変わっていた。
「行っちゃうよ、サブちゃん」
「オオ、来たね〜いつもの神さん」
「ピーターいいか、翼、振り落とされんなよ」
「オッケイ!翼ちゃんしっかりつかまってよ」
「本当に行くの?あ〜終わったわ」
翼はこの破天荒な行動につきあった事を一瞬後悔した。
ブォー、アクセルを少し握りながら足とのペダルでファンの向きを調整させ、一メートル二十センチ程度まで機体を浮き上がらせた。
フロントから出る逆風力を徐々に強め、前に押し出そうとする力を制御しつつ、バランスを取りながら、リヤのファンの出力もあげて行く。
地表に生い茂る雑草がちぎれて空高く舞い上がった。




