第20章 ココロの葛藤
「あの、これ、これって何ですか、酒ですか?」
ハッハッハ、オッジは大笑いすると、「これはウォッカだ、寒い所に住んでいる奴が好んで飲む酒だ、確か六十度はあったかな、ハッハッハ」とまたおお笑いすると、「もう一杯やるか」とココロに小さなショットグラスを手渡すと、ココロはそのグラスを持つ手が定まらず、一杯飲んだだけでその場にひっくり返ってしまった。
「なんでえ、ダラしねーなオマエ」と声をかけると、グイッとショットグラスをあおり、オッジはもう一杯ウォッカをグラスになみなみと注いだ。
セナとケイは仲間の飛行機に乗り込むと二機の飛行機は大空へと飛び立った。
「なるべく山に近いところを飛んでくれ、E地区側から入れば谷はさけられる。
おそらくE地区側に降りればいくつかD地区へ入るアクセス道があるに違いない」
セナとケイはE地区側に降り立ち、危険なD地区の上空は避け、安全で確実な方法でアクセスをする事にした。
「いいか、あの飛行機だ、発信器をつけて航路を探るんだ。
俺は取り付けた後、すぐに後を追う、あいつら飛行機で飛んで何処かに降りるつもりだろう」
「そうだな、おそらくE地区側ってところかな?手前では歩いていくには距離があるはずだ、反対側からだったら、撃ち落とされるリスクも少ない、天候次第ってところかな、よし、E地区との境辺りに先回りするんだ」
セナをマークするパクとリエチェンは大方の予想をすると、二人乗りに改良してある飛行機に発信器をつけ、早々にE地区とD地区境まで先回りをした。セナとケイは早朝飛び立つと、E地区上空からダイブした。その場所はD地区への境界線から百mと離れていない場所でエンジンマウンテンの麓は、森というよりは、ビルの残骸やありとあらゆる産廃がうずたかく積まれている場所で、ゴミの山からは時折煙が上がり立ち入る事も危険な場所だった。二機に便乗したセナとケイは、なるべくうずたかく積まれたゴミの山の平坦な場所を選んで降下した。ジャングルはD地区まではうっそうとした木々が広がりを見せていたが、山の麓まですべてが瓦礫の山で覆われ、所々瓦礫の隙間から大木が生え、煙が上がるような地熱を帯びている場所ではバナナの木が生い茂り、不思議な生態系が広がっていた。二人は何とか無事に降り立つと、「ここら辺でいいだろう、ここからが勝負だ」とセナがつぶやいた。「パク、上見てみな、どーだい、俺さまの読みは、必ず当たるんだよ、昔からそうさ、見ろよこのルートの取り方、D地区さけて山側から来たろ」「おー、分かった分かった、さすがだなリエチェンは、まーここからうまくやらねーとな、ボスにどやされるからよ、頼むぜリエチャン」「へっ、任せときな、見ろよ麓辺りから戻って来たって事は、降下ポイントは近いぜ」パクは発信器の追跡モニターを見ながら、Uターンポイントを割りだしていた。「さて、行くぞ」っと二人の追跡を開始した。




