第19章 森の秘密
「で、お前らいつ着いたの?」
まだ口の中に食べ物が入っているにもかかわらず、もぐもぐと口ごもりながら神風が言うと、ピーターが「神さんが飛び立った夕方には着いてたかな?それがすごくてさ、やっぱり翼ちゃんただものではなかったよ」
「まあ、住んでいるところ見たら想像がつくかな」
「でっかい、ヘリって初めて乗ったよ」
ピーターは神風とサブローが来ると、興奮しきった様子で経緯を話しだした。
「俺たちはここまでくるのに、良く生きていたって思うよほんと」
サブローも両手に食べ物を持ったまま、いきさつを話始めたと思ったら次の瞬間はもう、口の中いっぱいに食べ物を詰め込んでいた。
ようやく神風とサブローは腹ごしらえを済ませると、今回のいきさつを話始めた。
「俺、D-m3をどうしても探し出したいんだ、その二人からも聞いてると思うけど、既にこの森には俺たち以外にも大勢がエネルギーを探し始めている、それともう一つ、仲間の一人で、ココロってやつがジークってやつの仲間にさせられちまって、連中とエネルギーを探してるんだけど、俺たちはジークからココロを救い出したいんだ。
「そうか、ジークが入ってきたとはな」
「ジークを知ってるんですか」
「ああ、良く知っているとも、我々にとって彼らは敵でもあり、大切な仕事仲間でもあったからな、長い付き合いをしていたよ。
もちろん過去の出来事さ、あの山で働いていたときの話だけどな」
「どういうこと、あいつは俺たちの仲間を連れ去ったんだぜ、許しては置けない」神風は様々な出来事を思い出し、ジークにも自分にも腹が立っていた。
「そうだったのか、君にも複雑な事情があるらしいな、あいつは昔から野蛮なやつさ、それこそ森の中で不用意に出会ったら生きては帰れないだろう。
しかし彼らも生きていくためには働かなくてはいけない、彼らは森の奥深くから良いコンディションのスノーヴィを探し出して我々へ提供していたのだ、もちろん正規のルートから入れる物ではなく、闇のルートからの仕入れになるがな。
しかしだ、それだけリスクを冒して連れてくるスノーヴィは上質な物ばかりで高値で買い取っていたのも事実だ。
そういった意味では彼らは特別な存在として扱われていた。
世の中って言うのはすべて矛盾というやつがつきまとっていてね」
「そですか、でも俺たちは許す事は出来ない、だから必ずココロを取り戻す、もちろんD-m3も見つけてやるさ」
「なぜ、君たちはD-m3を探すんだ?」
「さー、それはまだわからない、でも手に入れればきっと何かがわかる」
「フフフ、まーいいだろう、その意気込みが大切だ、そもそも我々はあの山から離れた時点でジークとは縁が切れた。もちろんエネルギーを探したところでエゾが何をしようとしているのか知る由もない、むろん今はエゾに支える事もない」
「だったら、協力してほしいんだ、知りたいんだ、そのエネルーが何なのか、手に入れたいんだ」
「わかった、わかった、まーそう興奮しないで、まずはもっと食べてからでも遅くはないだろう」
「実はな、君たちが来る事はネネが知らせてくれたよ、ネネは森の風を通して我々のところまで言葉を運んでくれる不思議な力があってな、いやー、参ったよ正直、君たちが去った後我々はまた新たな住処を探し、ようやく落ち着いたところだったから、もう二度と街の連中には関わるまいと思っていた矢先だったからな、ハハハッ、でもネネは君たちの何かを悟ったんだと思うな、心の中の何かを。




