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D-m3  作者: wata
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第19章 森の秘密

「サブ、どっかにエアフラクターを隠したよな」

「ああ、確かあの岩陰に突っ込んでカモフラージュしたような気がしたけどなあ」二人はしばらく谷間に広がる光の演出を眺めた後、乗り捨てたエアフラクターを探しにいった。

「神さん、あったよあった、あれ、こんなぼろかったけ?」

二台のエアフラクターは傷だらけの上、あちこちぶつけたのか、ボコボコでとても乗れる代物とは思えない程おんボロの状態だった。

「あー、確かにここまで逃げるように走ってきたからな、動くのかこれ」

二台を神風とサブローが引き出し、状態を確認するが、ところどころ配線が切れていたり、ハンドルは曲がっていたりと、予想以上にひどい状態でメインスイッチを直すも、動く気配は全くなかった。

「何だよ、このポンコツやろー、ココロがいたらこんなの簡単になおしちまうのにな?」

そういいながらも、必死で配線をつなぎ直し、ファンの巻き込み防止用のネットを外し、絡まったツルを引っ張りだし、出来る限りの事はやってみた。

「よし、もう一度スターターを押してくれ」

神風が声をかけると、キュルキュルキュルっとスターターの回転する音が聴こえると、スッとエアフラクターは水平を保ち、地上から二十センチ程度浮き上がった。「よし!メインスイッチは戻った、ファンを回してくれ!」

サブローは二本のレバースイッチをカチカチとあげるとアクセルを握った。

その瞬間、ブォーッと勢い良くファンが回りだし、危うく人を乗せずに走っていってしまうところだった。

「やったぜ、神さん、一台復活、ライトもオッケイ、完璧に直ったぜ」

数時間かけてやっとの思いで二人は一台のエンジンをかける事に成功すると、サブローは辺りを一回りしてみせた。

「キャッホー、快適だぜ神さん、これさえあればこれからあっという間に谷底までいけるって」

神風もサブローの顔を見て一緒に喜こび、もう一周しようとしたときだった。

カサカサカサっと林の暗闇から赤い目が二つ光りながら地をはうのが見えた。

神風は何だかわからなかったが、その赤い点が岩の上にゆっくりと上がってきた時初めて正体がわかった。

「キルスパイダーだ」

とっさに神風は大声をあげた。

そんな声に反応する事なくサブローは既にファンを全開にして丘の広場の端の方まで行き、こちらへ向かってくるところだった。

リージェントキルスパイダーは二体、岩の上でお尻を持ち上げこちらに向かってくるエアフラクターに飛びかかる態勢をとった。

神風は両手を大きく振り、「サブロー、降りろ、すぐに逃げろ」っと叫ぶがニコニコ顔のサブローには声が届かなかった。

神風は走りよると、もう一度「すぐに降りろ」っと口を大きく開けてジェスチャーをすると、左手で岩を指差した。

笑顔で手を振り返したサブローが異変に気づき、神風が指をさした方向を目を向けた瞬間に二体のリージェントCは、ふわりと風に乗りエアフラクターに飛び移ろうとしていた。

サブローもその瞬間をもく視し、同時に神風の口元を理解したかのように、右サイドへ転げ落ちるように落下すると、同時にふわりと数センチの大きさの赤い目を光らせたリージェントC二体がエアフラクターに取り付いた。

アクセルを離したエアフラクターは水平を保ったまま失速し林の入り口の岩にこつんとぶつかって止まった。

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