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D-m3  作者: wata
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第19章 森の秘密

「は〜あ、昨日は参ったな」

「ふ〜、参ったどころじゃねーよ、見ろよこの面」擦り傷だらけの左目が腫れ上がった状態でサブローは朝を迎えた。

「痛てて、ケツ痛って〜、体中が痛いよ、あ〜あ、災難だな〜」

「まーそういうなって、さてと、どうするかな、とりあえず歩くとするか」

神風は気持ちをもり立てながらすべての事を受け入れ、まだ、見た事もないエネルギーを探す旅がようやくスタートした。

「な、神さん、もしかしたらここにそのD-m3ってやつがあるのかも知れないんだろ」

「いや、D-m3はあの谷の向こうだ、D地区へ行かないとだめだ、ここはまだ谷の手前だからな」

「やっぱそうか、まだ遠いな、谷の手前で撃沈じゃーどうしょうもないな俺たち」「もう見つけられちまったかもしれねーってのによう」

「そんな事はないさ、あの地区に入るのだって大変なんだ、どのチームだって苦戦しているさ」

しばらく谷の方角へ向かって二人は歩き続けると、採掘現場のような崩れた工場にたどり着いた。

ドラム缶がそこら中に転がっていて、既にふたの一部しかないところまで劣化し、至る所に残骸が転がっていた。

鉄柵がさびて崩れ落ちた空洞の穴からは、巾が一メートル近い大木が大蛇のようにくねりながら、幹に鉄の柵を食い込ませ大空へと伸びていた。

「ここは、採掘跡地だなきっと」

「線路があるってことはあの先のトンネルから何か採掘してたんだろうな」

辺りを見回しながら、岩なのかブルドーザーなのか見分けの付かないコケの生えた山のかたまりを左手にみながら後ろへ回ると、石がゴロゴロと積まれている山がいくつも見えた。

「お、これって石炭じゃねーの、昔ばーちゃん、どっからか拾ってきて使ってたぜ」

「そうらしいな」

「ここは石炭採掘場ってわけか、どうりでダンプカー見たいな山があると思ったぜ」

その場所は小高い丘の上にいくつもの穴があけられていて、そのなかの二つの穴には線路が暗闇の向こうまで続いていた。

既に廃坑になったのか、他の穴はすべて石が積み上げられ入り口をふさがれていてレールは手前で寸断されていた。

「こんなとこでも人が働いていたんだ」

「そうだな、過去にはこいつを燃料として走っていた乗り物があったらしいな」「おい、お前ら何やってんだここで」

不意に二つの穴の右側からヘッドランプを頭につけた二人の男が現れた。

体中にススが付き、薄汚れた格好の二人はD-m3を探すために集められた施設で見た事のある二人だった。

「おい、お前らここは先に俺たちが見つけたんだ場所だ、この石は燃える石って言ってな、高く売れるんだよ、お前らには渡さねーぞ、とっとと消えろ」

「なんだ、てめーら」

不意に声をかけられ、ののしられた事にサブローがキレた。

「てめーらの探し物はこれか、こんな物くれてやるよ」

石炭の山から転げ落ちた石の一つを蹴り上げると二人組の前まで転がり、靴の先にこつんと当たって止まった。

「俺たちは四区のキムとゾフだ、覚えておけ、俺たちが先にここを見つけたんだ、さっさと出て行かねーとぶち殺すぞ」

そういうと、ゾフが手に持っていた散弾銃を構え銃口を足先へ向けた。

「わかってるよ、俺たちはここから先を探すから、そう興奮すんなって」

神風は穏やかに話した。

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