第18章 挑戦 完
「いいからさ、早く喰おうぜ、食ったら出発だ」
サブローもいつになく上機嫌で、混雑した昼の飲食街を歩きながら人が囲んでいるテーブルを覗き込んではブツブツと、今日は何を食べるかを品定めしながら奥へ奥へと人ごみをかき分て歩いて行った。
昼の飲茶街は朝の混雑の二倍は混雑していて、空いているテーブルを見つけるのはとても困難だったが、しばらくつまみ食いをしながら待っていると、ようやく一つのテーブルを確保する事ができ、昼飯にありつく事ができた。
「やっと座れたね翼ちゃん」
「ほんとすごいわね、ここ、もう既にお腹いっぱいって感じ」
「じゃー喰うなよ」
神風は意地悪そうな笑顔で翼にいい放った。
「ふん、いいわ、そんな事私に言うとネネから言い忘れてたって事、教えてあげないよ」
翼も負けじと、意地悪い笑顔をしてみせた。
「おいおい、今のなし、ごめんね翼ちゃん、っていうかそんな事聞いてないじゃん、ちょっとずるいよ」
翼は勝ち誇った顔で神風を見ると「教えてあげてもいいんだけど、じゃー私も連れてってね」と笑顔で軽く答えた。
「はぁ」四人は同時に翼の顔を見ると驚いたようにいった。
「あのさ、夏休みの宿題やりに行く訳じゃ無いんだよね、俺たち命はってのよ、わかる?」
神風がウーロン茶を一口で飲み干すと、グラスをテーブルに置くか置かないかのタイミングで言い放った。
「そんな事わかってるって、でもネネがいい忘れた事ってね、私がいけば必ず手にする事ができるんだって、もちろん危険は承知の上で私も行くわ。
いく覚悟があるなら協力してあげたらって言われたの、まーそれだけが言いたかっただけだから」
「無理なら帰るわ、じゃ、用件は済んだから」
「ちょっと、ちょっと待ってよ、何いってるのかわかんないな、だって俺とサブがいく事になってんのになんでお前が行くんだよ、だいたい飛行機三人乗れないし」「あのー、僕が一緒に行くって言うのはどうだろう、翼ちゃん一人ではいけないし、二人だったら神さんとサブのサポート組ってことで行けばいいんじゃないかな?」
「ピーター、お前まで何言い出すんだよ、よけい分けがわからなくなるじゃねーかよ」
「いいじゃん、名案ね、そうしよう、なんか楽しい夏休みになりそうな気がして来た」
「だからさ、ピクニックじゃないんだって、まったく」
サブローもあきれたように言ったがまんざらでもない様子で、話の合間を見ては翼に「これ食べなよ」
と、シュウマイやごま団子をおばちゃんから買うと、翼目の前に差し出した。
みんながちょっとづつ、翼の前に食べ物を差し出す物だから、お皿の上には既に十個以上置かれ、とても食べきれる量ではなかった。




