第2話 墜落 完
「メーデーメーデー、うわ〜」
悲鳴とも、驚きともつかない声が、コックピットにも響きわたった。
ズドドド〜ンそれは、落雷にあったような衝撃だった。機体の後方部へエネルギー砲が命中した。
機内は、ものすごい衝撃とともに、後方部が吹き飛んだことで、尾翼部分が吹き飛んでまともな飛行を続ける事は不可能だった。あちこちの計器類がら異常を示す警告音が鳴り響いていた。
衝撃によって操縦士はしばらく放心状態が続いていた。
「き、機長、どうやら尾翼部分が吹き飛んだ様子です、すごい衝撃でしたが、主翼はすべて吹き飛んではいないよです」
「・・・・・」「機長!」
機長は、衝撃で後頭部をぶつけ、一瞬気を失っていた。
「大丈夫ですか?」
副操縦士が腕をつかみ揺らすと、機長はすぐに目を開けた。
「あ、お!おい、被弾したのか?」
「機長、大丈夫ですか?まだ主翼のすべては損傷を受けていません、なんとか不時着しましょう」
「メーデーメーデー」
「機長、叫んでも無駄です、集中コントロールも破壊されています」
「なんてことだ」
管制塔からは、こちらからの呼びかけに何も応答がなかった。
管制塔ではまだレーダーに残る飛行機の軌跡をおいながら対応に追われているとこだった。
この時はまだ地上の一部の人間しか事の重大さを知る者はいない。
間もなくして、神妙な面持ちで大佐が管制塔内へ到着した。
一同敬礼をすると、管制塔の責任者、一堂元が口を開いた。
「大佐、MSRが作動しまして民間機がどうやら撃墜されたもようで」
「連絡は受けた、どうやらとはどういうことだ?」
「は、はい、追撃エネルギー砲がD地区に領空侵犯した機体を砲撃したのです」「バカもの!なんてことをしでかしたのだ」
「管制塔は何を指示している?D地区は進入禁止区域だと航空法、第七十に条三十二項で決まっているだろう、なぜその航路をとったのだ?」
「大佐、の・・・それがどうやら重力コントロールエネルギーが何かほかのエネルギー物質に反応したか、それか同様のエネルギー物質が、まだD地区に残っている物と思われまして・・・おそらく双方作用で、操縦不能に陥りD地区へ引っ張られたのではないかと」
「それで、それで機体はどうなっているのだ?落ちたのか?」
「はい、いや、いいえ、まだ詳細の確認がとれた訳ではないのですが、反重力コントロールのエンジン部分だけを破壊されただけではないかと、おそらく主翼と機体の一部は残っており、レーダー反応もありますし、不時着の可能性も全くないとは言えず、その・・・」
「何をゴチャゴチャ言っている?まだレーダーに映っているのか?」
「はい」
「なんてことだ、多くの民間人が乗っているのだぞ」
「はい、承知しております」
この便には政府関係者が多数乗っており、その中でもこの飛行機の開発に多額の投資をいている三咲総一郎の娘が乗っているのだ。
三咲総一郎とグリーンパラディウムの支配者エゾは、ビジネスパートナーで有り、共に数多くの開発を手がけていた。
「すぐに位置を割り出を割り出し治安部隊を向かわせろ」
剛田大佐の顔は、不安と怒りが入り交じった表情に変わっていた。
すぐに近くにいる隊員を現場へ向かわせたが、数秒後にレーダーから陰がこつ然消え、通信が途絶えたため即座に位置を割り出すことが困難な状況になっていた。
残る手段は、あらゆる監視カメラを使い、D地区の墜落現場を特定する手がかりを見つけること、しかし時間だけが無情にも過ぎていくだけで、監視カメラによる探索も難航を示していたのだ。
「なんてことだ」大佐はあきらめとも怒りともつかない大きなため息をついた。




