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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
奪還作戦

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上に立つにはワケがある

「あのエクリプスが陥落寸前らしい!」


「幹部諸共消せる!チャンスだぞ!」


野蛮な言葉と銃声が飛び交う。

敵の士気は上がり続けていた。


「……おい、なんかおかしくないか?」


マキシムは眉を寄せる。


「さっきから敵が増え続けてキリがねえぞ!」


「どこかで情報が流れているみたいだね……僕達が圧されているってことが筒抜けみたいだよ」


マキシムは何も言わずにユーミルを見つめた。


「……まさかお前!」


ユーミルはフッと目を細めた。


「君の直感はすごいな」


「なんでっ、裏切りは……」


「これは裏切りじゃないよ。エクリプスのためさ」


「はあ?」


マキシムは頭をガシガシと掻き毟る。


「あ゛ぁ!もうわっかんねえ!」


マキシムの背後に男達が回り込み囲う。


「今はとにかく生き残るしかねえか!」


マキシムは両手に銃を掴むと、視線を変えることなく、適当に数発撃った。

狙ったかのように全て命中し、呻き声と共に男達が倒れた。


死角から男がマキシムに殴りかかる。


「あっ、クソ。解けちまった……」


マキシムは急にしゃがみ込み、靴紐を結んだ。


勢いをつけた男がマキシムの頭上を通り過ぎて行った。


「な、なんだ……この男は!」


マキシムは立ち上がり、ガシガシと頭を掻く。


「あ゛?俺か?」


「俺は強運なんだよ!……金以外はな!」


ユーミルは頬を上げると、落ちていた銃を拾い上げた。

ハンマーを下げ、銃口を男達に向けた。


「マキシム、僕達は生き残るよ。蓋然性が高い」



二人の様子をハルトはつまらなそうに見下ろしていた。


「なんだよ……マキシム泣いてねえじゃん」



その時、ガラスの回転扉が破裂音と共に吹っ飛んだ。


「うっわ!また壊された!直せんのかこれ」


ハルトは身を翻し、ガラスの破片を避ける。


破壊された回転扉の向こうには新たに他組織と思われる男達が銃を抱え、乗り込んできた。


「エクリプスは俺たちがヤる!」


「旧中枢の犬共は消えろ!」


男はロケットランチャーをマキシムに向け狙いを定める。


ハルトは目を細めるとステラから掻っ払ったナイフを投げた。

銃口に吸い込まれるようにナイフが突き刺さる。


「あ、あれ……?」


カチッ。


大きな爆発音と共に男達は吹っ飛んだ。


「命中〜!」


ハルトは楽しそうに次の獲物を探しに向かった。




入り口が壊されたことで次々と敵が増えていく。

エクリプス拠点はまさにカオスになっていた。


誰が敵かも分からないほどの混戦状態に陥っていた。


ユーミルが駆け出し、マキシムの腕を引く。


「もう頃合いだね。マキシム一時撤退だよ」


「はあ?」


マキシムは周りを見回す。

男達のただの殴り合いになっていた。


ユーミルはマキシムの背中に回り込む。

さっさと前に進むようにせっつく。


「……俺を盾にすんじゃねぇ!」


「一番の安全地を選択しているだけだよ」


マキシムはブツブツと悪態を吐きながらイヴとニコが待つ部屋へ向かうのだった。




中央の螺旋階段では、ステラがナイフで男達を次々と薙ぎ払っている。


「おーいステラ!一時撤退らしいぞ」


マキシムが大きく手を振り、合図を送る。


ステラは長い髪を翻す。

その目はまだ怒りに燃えていた。


「私はまだコイツらで遊んどく」


正面から飛びかかる男達をステラの長い脚が蹴り上げる。


「あ、……あり、が、とうござ、ます〜!」


男は階段下に転がっていく。


「ステラ様ぁ!俺も蹴りで……お願いします!」


階段には男達の長い行列ができていた。


ハルトが通りかかるとニヤリと口角を上げ、ステラの横にしゃがみ込んだ。

笑顔で転がり落ちる男達を見下ろす。


「……ステラ、俺も手伝ってやるよ」


ハルトは顔を両手で軽く擦る。

両手を下ろすとステラの顔になった。


「……ちょっと!何する気!」


ステラは怪訝そうに眉を寄せた。


ハルトは螺旋階段の反対側に立ち、くねくねとシャツのボタンを数個外した。


「こっちはビンタしてあ・げ・る♡」


「ハルト!私の顔でやるな!」


男達は一斉に二手に別れた。


「お願いしますっ!」


「ステラがぁ……思いっきりやっちゃうからぁ♡」


ハルトは笑顔で手を振り上げた。


パァン!


容赦なく平手打ちが振るわれる。


「ありがとうございます!」


「次は俺です!」


ステラは舌打ちをした。

ただただ、イライラが募っていた。


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