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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
奪還作戦

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胸熱展開は最終決戦の証

古びた劇場。

ガラスは割れ、ポツリポツリと人が転がる。


「これは想定外だったな」


ユーミルは髪を指に絡ませながらフッと息を漏らした。


「想定外で済ますんじゃねえ!」


マキシムはユーミルの横で荒い声を上げた。

なぜか汗だくだった。


「……なあステラなんとか頑張れねえか?」


「イヤ!絶対無理!」


「ちっ!……ホントに汚ねえヤロウどもだ」


ハルトが部屋に滑り込むように退避する。


「っと、……危ないねぇ」


その表情は少しだけ楽し気だった。

ステラを覗き込む。


「なに?まだ気にしてんの?」


「……うるさい」


「いいじゃんパンツくらい。どうせ見えても良いやつだろ?」


ステラは無言でハルトに向かってナイフを飛ばす。


「うおおっ!」


ユーミルは小さく息を吐いた。


「まさか旧中枢がステラ対策を考えていたなんてね……一本取られたよ」


ステラは座り込んだまま項垂れた。


「もう……お嫁に行けないっ……」


「行く気あったのか?」


「ハルト、もう止めてやれよ」


ヘラヘラとハルトはステラを煽っていた。

マキシムは頭をガシガシと掻きむしりながら呆れたように呟いた。


「これだから戦闘員は扱いにくいんだよな」


「妙なところがデリケートでよぉ……」


「はあ?妙!?こっちは盗撮されてんだけど?」


部屋の隅ではカタカタとキーボードを叩く音。

イヴが忙しなく文字を目で追う。


「もう少しでステラのデータ消去出来るから」


ステラは目を丸くして顔を上げた。


「本当?」


「うん。任せて」


ステラは安心したように息を吐いた。

銀色のナイフを握る。


「旧中枢……一匹残らず消す!」


ドス黒いオーラがステラから発せられていた。



「よっし!データ消滅!」


イヴは小さく息を吐く。

ステラは何も言わずに立ち上がった。


目の前にいるハルトの肩を軽く叩いた。


「ハルト……行くよ」


「お、おう!」


ハルトはステラの圧に押され扉から出て行った。

パタンと扉が閉まる。


数秒後には悲鳴が響き渡った。



「……僕達の戦いはこれから、だね」


ユーミルは小さく喉を鳴らした。


「ほどほどにしろって言わなくていいのかよ!」


マキシムはジト目で扉を見つめる。


「まあ、良いんじゃないかな。少し暴れてもらって数を減らそう」


「お前、なんか雑じゃねえか?」


マキシムは腕を組み、壁に寄りかかった。


「なんっつーか、いつもはもっと念入りに計画立ててるよな」


ユーミルはクスッと笑い、口元に手を置く。


「さすが、君の直感は冴えてるね」


「ちょっと!外見て!」


慌てたようなイヴの声にマキシムの肩が飛び上がる。


「……きゅ、急にデカい声出すなよ」


「そんなこと言ってる場合じゃないって!」


マキシムが眉を寄せながら窓を覗き込む。


次々と黒い車が建物の前に並んでいく。

黒い服の男達が車から降りる。

手に握られる銃や武器が反射して光輝いた。


「おいおい……嘘、だろ!」


マキシムは窓から数歩、後退りをした。


「……やっと来たね」


「はあ?ユーミル……お前何言って……」


ユーミルは手元の銃のマガジンを開けた。

静かに弾を装填する。


カチャリ。

金属の音。


「ここからが本番だよ」


その時、扉が大きく開かれた。


「……無事か!」


大男とそれに肩を貸すザビィが顔を出した。

レオンはまだ痺れが残っていた。


「ザビィ!?それと……お前また痺れてんのかよ」


マキシムは呆れたように頭をガシガシと掻いた。


「おい!ノアは?」


「ノアは来ないそうだ」


ユーミルは髪をくるくると指に絡めた。


「ノアは爺の方に行ったね……」


「はあ?」


「今日で決着をつけるんだよ。全部、貰うためにね」


「はあああ!?」


ユーミルはマキシムの背中を押した。


「僕達も行くよ」


「お、俺は戦闘は……」


「アタシも行く!」


イヴもぎゅっと銃を握り締める。


「イヴちゃん、私も」


イヴの後ろでニコもきゅっと唇を閉じる。

レオンは思わず二度見した。


「ちょ、ちょっと待て!ニコ何でここに……」


「えへへ。ついて来ちゃったぁ」


「ニコ、イヴ!お前らはここにいろ!」


レオンは嫌がるマキシムの背中を押すと部屋の扉をさっさと閉めた。

部屋には二人が取り残された。


「えーアタシも少しならやれるのに……」


「イヴちゃん、これなんだろ?」


ニコは本棚の端についたレバーを指差した。

二人は顔を見合って首を傾げた。


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