↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
最終決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
320/349

ご主人様の命令が聞けないならゲンコツ

ピンク色に統一された家具。

テレビからはニュース番組が流れる。


部屋の真ん中で白と黒のフリルが揺れていた。



「……またね」


笑顔のまま握られた銃は、自身のこめかみに狙いを定めた。


ヒロは理解が追いつかず、声を出すこともできない。


そして、乾いた音が響き渡った──



ヒロはスローモーションのように世界がゆっくりと見えていた。


横目に映るアルヴァルトの表情が歪み、いつもの余裕を失っていく。

咄嗟に駆け出そうと足を踏み出す。


(だめだ!間に合わない!)


(俺が、なんとかしないと……)


目の前の手を伸ばせば届きそうな距離。

しかし、慣れない銃声はヒロの体を強張らせた。



その時──


ヒロの真横を何かが通過する。

ノアへ一直線に向かう。


ノアの持つ銃のフレームに当たり、銃口を大きく逸らす。


部屋には二つの銃声が響き渡った。


壁に貼られたアイドルのポスターには焦げついたような穴が開いた。



ヒロは咄嗟に振り向く。


レオンが構える銃口から細く煙が上る。

呼吸は少し荒くなり、肩が上下していた。


「……レオン!」


ヒロはやっと息を吐いた。

まだ鼓動は落ち着かず、大きく打ちつけるように響く。



アルヴァルトはすぐにノアの銃を取り上げ、部屋の隅に銃を滑らせた。


ノアはくるりと振り向く。

メイド服がふわりと膨らみ、フリルが揺れる。


レオンに向け、ニヤリと笑って見せた。


「言ったろ?戦闘は不要だって」


親指で背後をさす。


サイラスは目を見開き、頭を抱えていた。


「……なんでだ……エリアス」


サイラスはノアの背中を見つめ、力なく肩を落とした。


ドヤ顔で胸を張るメイドにヒロの怒りは頂点に達していた。

ヒロはノアのメイド服の胸ぐらを掴んだ。


「お前っ、自分が何したか分かってんのか!」


ノアはヒロのいつもの説教と即座に判断し、死んだような目で遠くを見る。


「なんで自分を撃つんだよ!」


「……ヒロだって父親は撃つなって言ったじゃ──」


「だからって自分を撃つやつがいるか!」


「……ここにいるんだけど」


「うるせえ!」


ヒロはノアをビシッと指差した。


「ノア!命令だ!」


「もう二度と自分に銃を向けるな!」


ノアは眉を寄せ、不満げに口を尖らせた。


「作戦上、必要なことだってある!同意できないね!」


「そんな作戦考えんな!お前、頭が切れるなら他の方法を考えろ!」


「一番手軽なんだから仕方ないだろ」


怒髪天のヒロはまたメイド服を掴む。

感情のままに口を開くが、言葉が出てこない。


小さく舌打ちをし、ノアの身体を自分の胸に寄せた。


「……もう、そういうことを言うな。これは命令だ」


いつもと違うヒロの様子にノアは首を傾げる。

ヒロの肩をレオンが叩いた。


「ヒロ、俺に任せろ」


レオンはノアをヒロから剥がすと拳を振り上げた。


「え?なに?」


ヒロが死角となり拳を見失ったノア。

キョロキョロと周りを見渡すノアの頭上に大きな拳が落ちる。


ボコォッ。


明らかにやばい音。

ノアは何も言わずに頭を押さえ静かになった。


レオンは満足そうに鼻から息を吐いた。

ヒロは内心やり過ぎのような気もしたが、胸がスッキリと軽くなっていた。


ヒロは二人を見て、フッと頬を上げた。


「お前ら、もう帰るぞ」


歩き出したヒロはサイラスに向かう。


依然、サイラスは頭を抱え何かをボソボソと呟く。

ヒロは小さく息を吐いた。


「……お前、親なら子供のことを勝手に決めんな!」


「何かやりてえなら自分でやれ!」


サイラスは何も言わずに膝をついた。

アルヴァルトが静かにサイラスの隣に立つ。


「アルヴァルト、お前もだ!」


「あんまり主人の言いなりになるなよ。止めるのもお前の役目だろ」


ヒロは一般社会の正論を残してリビングを出た。


「……エリアス、お前はなぜ」


ノアは頭を押さえながら口を開く。


「エリアスはあの日死んだんです」


「……あの日?」


「あなたに銃を向けられたあの日にね……」


ノアはそう言い残しヒロの後ろを追った。

サイラスは眉を顰め、細い背中を見つめていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。