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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
黒幕を追え

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ラストチャンスは、これで最後

映し出されたのは、椅子に座り脚を組む男。

青い瞳。

金色の髪が揺れる。


ゆっくりと腕を上げた。


「よっ」



軽すぎる挨拶。

静まる部屋。



「あれ?無反応?おーい!」



「ノアァ!?お前!やっぱり生きてたのか!?」


マキシムの声が驚きで裏返る。


「ギリギリの状態、かな」


ユーミルは怪訝そうに眉を寄せた。


「ノア……君、」


「あ、やっぱ分かる?……改善の余地ありかな」


「何だよ!また二人でよぉ!」


「これAIだから。義父さんから借りた便利なヤツ。アイトラッキングのね」


「状態はよくないということ、だね……」


「セレスの頑張り次第だよ」


右下の小さなモニターにセレスが現れる。

げっそりと痩せこけた頬。

眼鏡の奥には目に濃い隈が浮かぶ。


「……あれから仮眠すら取れていません」


「セレス……」


レオンは同情した。

優しい瞳でモニターを見守る。


「あの傷を三日で治せと……無理です!私はもう限界です……」


「セレス悪い。俺が撃ったばかりに」


「レオンのせいではありませんよ。この頑固者のせいですから!」


セレスは深くため息を吐いた。


「あのままザビィにトドメを刺してもらえば……」


ブツブツと呟く。


「セレスは冗談がうまいな」


クスクスと笑うノア。


「……」


セレスは目を細め、クイッと眼鏡を上げた。

どこか目が潤んで見えた。


ユーミルが一歩前に出る。


「こっちの状況だけど……旧中枢の裏にいたのはアルヴァルトの元相棒だったよ」


「……」


「ノアは何か知ってる?サイラスという人物」


「……」


「……ノア?」


「……ああ。ごめん」


「サイラスに何か心当たりがあるんだね?」


「この件は、もう手出しは無用」


マキシムが頭をガシガシと掻きながら声を荒げる。


「何でだよ!俺らはここで潜伏までしてんだぜ?」


「君達じゃ勝てない」


冷たい声。

そう聞こえた。


「そうだね。イヴのハッキングも歯が立たなかったよ」


「あ゛っ!イヴ!おいイヴ、起きろ!ノアだぞ!」


マキシムは簡易ベッドで眠るイヴを揺する。

バシバシと頭を叩いた。

イヴは薄らと目を開けた。


モニターに顔を向け、目を大きく開いた。


息を大きく吸う。


誰もがイヴの奇声を覚悟した。

しかし、部屋は静かなままだった。


ポロポロとイヴの目から涙が落ちる。


マキシムが眉を落とす。


「お前らしくねえぞイヴ!ほらノアだぞ!お前の彼氏!」


「……ノア、ごめん。アタシ負けちゃった」


止まらない涙。

イヴは、無理に笑顔を見せる。


「……」


「おいノア!お前なんとかイヴを慰めろ!」


「……」


「聞いてんのか?」


「マキシム、ノアが言ってたろ。ノアはアイトラッキングで会話してるんだ。少し待って」


マキシムはテーブルを強く叩いた。


「アイトラッキングゥ?んなもん知らねえよ!」


「おら!ノア!さっさと何か言え!」


マキシムは煽るようにノアを詰める。


ノアがゆっくりと口を開いた。


「……ラストチャンスいる?」


ニコリと不自然な笑顔。


「らすとちゃんすぅぅ!?」


「やる!」


イヴは即答すると、簡易ベッドから立ち上がる。

モニターの前に手をついた。


「……ただし、これはマキシム、君じゃないと彼までは辿れないよ」


「はあ?」


マキシムは意味が分からず眉間に皺を寄せた。


「さあ……どうする?」


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