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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
奴隷のひみつ

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残されたファイルは遺影写真だったんだが

ズラリと並ぶ液晶モニター。

苦労して開いたデスクトップにはフォルダが一つだけ表示されていた。


フォルダ名 僕


三人は息を飲む。

イヴがフォルダを開く。


カチカチッ。

軽い音。


フォルダ内に、並ぶ画像ファイル。


「なんだこれ」


「ノアの写真……可愛い!」


テンションが上がるイヴ。

声も大きくなっていく。


「何で自分の写真なんだよ……分かんねえ」


「ノアだけじゃないよ!アルヴァルト様との写真もあるし!」


「これ、新築祝いの時のやつだな」


レオンが眉を顰める。

そして、最後の写真。


「これ……施設の」


「うぉっ懐かしいな!」


身を乗り出すマキシム。

数十人の子供達が笑顔を向ける。

中央にはノア。


「え、これマキシムじゃない?若いんだけど!」


「うるせえな」


「まだ穢れる前だな」


「俺のアイデンティティを穢れにすんじゃねえ!」




キィィ。

扉が開く音。


「どう?何か分かった?」


扉からひょこっとユーミルが顔を出した。


「ユーミル!」


「お前!無事だったのか!?」


「無事?ああ、あの大破していたトロッコのことかな?君達は見落としていたみたいだけど、ボタンの横にボタン長押しで速度調節ができると記載されていたよ」


一斉にイヴに視線が集まる。


「……え、いや、だって、それどころじゃなかったじゃん!」


「こいつ……!」


イヴの背中が少しだけ小さくなった。

ユーミルが口元に指を当てクスッと笑う。


「それで、今は何してるの?」


イヴの後ろからディスプレイを覗き込む。

イヴは楽しそうに画像を開く。


「一つだけフォルダがあって、中身がノアの写真だったの!」


「……これは、おそらく遺影だね」


「いえい?」


「さすがノアは準備がいいね」


盛り上がっていた空気が静まる。


「ノアにとって施設での時間も大切だったってことかな」


ユーミルは髪の毛をくるくると指で弄った。


「ノアの写真ならアタシがいっぱい持ってたのに……!」


「メイド服とか水着とか……寝てる時とか」


ユーミルの指がぴたりと止まる。


「……なるほど。だから先に準備していたんだね」


レオンとマキシムは、ストーカーの恐ろしさにゴクリと息を飲んでいた。



「イヴはこのPCで犯人探しをするんだよね?目星は立ってるの?」


イヴはカタカタとキーを叩きながら答える。


「とりあえず、ザビィの隣にいた奴。あいつのスマホに入る」


「ペクって言ったか?旧中枢をまとめてた奴だな」


イヴはコクンと頷く。


「前にノアに言われて調べたことがあるの。中枢の顔役だった白志勳(ペクジフン)」


「その時は、ただの連絡係だったんだよね」


イヴは自分のPCをハッキングし、データを引っ張り出す。

名前や年齢、好きな食べ物までズラリと並ぶ。


ユーミルは静かに髪をくるくると指に絡めた。


「ねえ、どうしてニコが人質に取られたの?僕たちには護衛がついているはずだよね」


「それは、レオンが……」


「……俺が護衛を外したからだ。側にいれば安全だと思ったからな」


「確かに、レオンがいるなら手を出す奴はいないだろうね。相手も敵に回したくないだろうし……それじゃあ、この話を知っているのは誰?」


レオンは腕を組み、眉に皺を寄せた。


「その時に居たのは、ノア、ステラ、ハルト、イヴ、ニコ、ヒロだな」


「いつメンってとこ!」


「そうすると内部の情報漏洩はない……か」


ユーミルは小さく息を吐いた。


「イヴはペクのハッキングを進めてくれる?」


「ガッテン!」



カシュッ。

缶を開ける音。


一斉に振り返る。


缶ビールに口をつけ喉を動かす男が一人。


「うめえ!キンッキンだな!」


「……マキシム何してんの」


イヴが蔑んだ目で睨みつけた。


「いや、冷蔵庫に入ってたからよぉ」


悪びれる様子もなく、冷蔵庫を開く。

ぎっしりと詰められた缶ビール。


イヴの横にコトンとジュースを置く。


「まだ時間もあるんだろ?休みながらやろうぜ」


「う、うん」



三十分後。


マキシムはイビキをかいて眠っていた。


「ホントっ!マキシム邪魔なんだけど!」


イヴはマキシムが眠る椅子を思いっきり蹴った。


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