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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
海に行くぞー!

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247/364

とりあえず今回も無事解決しました。

※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。

※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。

ミラは消えた。


いつの間にか。


気付けば姿がなかった。


ヒロは額を押さえる。


「またかよ……」


ノアはパラソルの下で缶ビールを開けた。


プシュッと気の抜ける音が響く。


「義姉さんはああ見えて大人だから大丈夫」


そう言って一口飲む。


ヒロは即座にツッコんだ。


「その理屈で安心できたことが一度でもあったか?」


ノアは少し考える。


「まだないね」


「だろうな! 今後もねえよ!」


ヒロが叫ぶ。


しかしノアは何かを思い出したように顔を上げた。


「あっ」


嫌な予感しかしない。


「この海岸で何人か死ぬかもね」


ヒロは頭を抱えた。


「その心配をしてんだよ!」


レオンは立ち上がると軽く準備運動を始めた。


肩を回し、首を鳴らし、足を伸ばす。


完全に運動前の動きだった。


「また走り込みだな」


「なんで嬉しそうなんだよ!」


ヒロが怒鳴る。


レオンは真顔のまま答えた。


「砂浜は足腰に効く」


「聞いてねえ!」


ヒロは天を仰ぐ。


「くそっ……もうバカしかいねえ!」


その時、サクラがそっと近付いてきた。


「ヒロ様」


優しい声だった。


「私はここにいますので」


ヒロは少しだけ救われた気分になる。


「頼む。悪いな」


「お任せください」


サクラは微笑んだ。




イヴは元気よく立ち上がる。


「ニコ! 私たちは海行こ!」


ニコも嬉しそうだった。


「いっぱい泳ごうね!」


「うん!」


二人は手を繋いで波打ち際へ向かう。


ヒロは慌てて声を掛けた。


「おーい!」


振り返った二人へ指を向ける。


「ちゃんと準備運動しろよ!」


「はーい!」


イヴが元気よく返事をする。


だが準備運動をする気配はない。


ヒロはもう何も言わなかった。


言っても無駄だと学習済みだった。


こうして目的はそれぞれ決まった。


イヴとニコは海水浴。


サクラは荷物番。


レオンはミラ捜索という名の砂浜トレーニング。


ノアはビール。


そしてヒロは、問題が起きる前に問題を探す仕事だった。




砂浜を駆け回るヒロとレオン。


「ヒロ!」


横を走りながらレオンが声を上げる。


「もっと足を上げた方が効くぞ!」


ヒロは珍しく無視した。


返事をする気力すら残っていない。


周囲を見回しながら砂浜を進んでいると、不意に視界の先で見覚えのある黒髪が揺れた。


砂浜の奥。


漁業船が並ぶ港。


そこにミラがいた。


当然のように船へ乗り込み、周囲の日焼けした男達と話している。


どう見ても漁師だった。


しかも妙に馴染んでいる。


「……嘘だろ」


ヒロが呟く。


レオンも視線を向けた。


「船か」


そう言って肩を回す。


「次は泳ぎだな」


「危ないから船と競うな!」


ヒロが即座にツッコんだ。


レオンは少し残念そうだった。


港からは漁師達の笑い声が聞こえてくる。


ミラも普通に会話へ混ざっていた。


あまりにも自然だったので、むしろ自分達の方が部外者に見える。


ヒロは深いため息を吐いた。


「……帰るか」


「そうだな」


レオンも頷く。


二人は踵を返した。


助けを求められている様子もなく、危険な雰囲気もない。


なら放っておいても問題ないだろう。


そう判断した二人は、何事もなかったかのように設営場所へ戻っていった。

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