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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
海に行くぞー!

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筋肉バカは砂浜で負荷トレを始める

※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。

※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。

海。


青い空。


白い砂浜。


波の音が心地よく響いていた。


ヒロとレオンは汗を流しながらパラソルとテントを組み立てている。


その横の日傘の下では、ノアとミラが並んで海を眺めていた。


二人とも静かだった。


ヒロは作業の手を止める。


「お前らそこ動くなよ!」


ノアは素直に頷いた。


「うん」


ミラも小さく頷く。


「うん」


少し不安だった。


だが今は信じるしかない。


ヒロとレオンは作業へ戻った。




しばらくして。


「よし、完成」


ヒロは大きく息を吐く。


レオンも肩を回した。


「意外と疲れるな」


そのタイミングでサクラが近付いてくる。


「お疲れ様です」


冷たい飲み物を差し出した。


「おっ」


ヒロは嬉しそうに受け取る。


「ありがとうな」


レオンも一本受け取った。


よく冷えていた。


生き返る。


レオンは飲みながら周囲を見回した。


「……あいつらは?」


ヒロの動きが止まる。


ゆっくり振り返る。


日傘。


誰もいない。


「おい」


ヒロは額を押さえた。


「動くなって言ったよな?」


返事はない。


当たり前だった。


いないのだから。


「探すぞ!」


ヒロが走り出す。


レオンも続いた。


二人は砂浜を駆け回る。


「なかなかキツいな」


レオンが少し笑う。


「嬉しそうにすんな!」


ヒロは即座にツッコんだ。


絶対筋トレだろ。


砂浜は負荷が高い。


レオンにとっては運動施設と変わらなかった。




海岸の端にある岩場の陰で二人を発見した。


「お前ら何してんだ!」


ヒロが怒鳴る。


「動くなって言っただろ!」


ミラはゆっくり振り返った。


「……釣り」


小さい声だった。


ヒロは周囲を見る。


釣り竿はない。


バケツもない。


餌もない。


何もない。


「釣り道具なんて持ってたか?」


ノアが答える。


「現地調達」


嫌な予感しかしなかった。


その時だった。


レオンの顔色が変わる。


「おい」


視線の先。


海の中へロープが伸びている。


レオンは迷わず海へ飛び込んだ。


盛大な水しぶきが上がる。


ヒロは頭を抱えた。




数十秒後。


レオンが海から上がってくる。


両脇に男を抱えていた。


二人ともロープで縛られている。


しかも海水を飲んだらしく咳き込んでいた。


「すみません!」


「本当にすみません!」


必死だった。


「何してんだよ!」


ヒロが叫ぶ。


ミラは首を傾げた。


「悪い虫」


そして当然のように続ける。


「餌にした」


ヒロは天を仰いだ。


ノアは感心したように頷く。


「義姉さんは天才ですね」


「一般人を巻き込むな!」


ヒロの叫びが海岸に響く。


男達はさらに頭を下げた。


「二度としません!」


「近付きません!」


ヒロは何も聞いていない。


だが事情は大体察した。


ミラは少し不満そうだった。


「ヒロうるさい」


「うるさくもなるわ!」


ノアは平然としている。


「慣れると面白いですよ」


「慣れんな!」


即答だった。


レオンは男二人を軽々と抱え上げる。


まるで荷物だった。


「とりあえず救護室に運んでくる」


「頼む」


ヒロが答える。


レオンは男二人を抱えたまま砂浜を走り出した。


速かった。


筋肉が無駄に躍動していた。


その背中を見送りながら、ヒロはぽつりと呟く。


「絶対筋トレ目的で来てるだろ」


「ついでだ」


遠くから声だけ返ってきた。


「否定になってねえんだよ」


ヒロは深いため息を吐く。


海へ来てまだそれほど時間は経っていない。


それなのに、もう帰りたくなっていた。


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