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貧乏大学生が酔った勢いで奴隷契約したら、美少女だと思った相手が男でヤニカスだった件  作者: 家宝ダンゴ
合法ロリがやってきた

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晩飯は後始末の後に決まってんだろ

※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。

※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。

水浸しになった家を、全員で掃除していた。


床を拭く。


雑巾を絞る。


また拭く。


本来なら晩ごはんを食べている時間だった。


ヒロは無言で床を磨く。


その横で、ノアが雑巾を絞りながら不満そうに呟いた。


「排水の悪い家だな」


ヒロの動きが止まる。


「普通の家は室内でプールしねえんだよ!」


即座に怒鳴った。


ノアは不思議そうな顔をする。


「でも浴槽はあったよ?」


「そういう問題じゃねえ!」


反省の色はまったくなかった。


ミラは床を拭きながらぽつりと呟く。


「……お腹すいた」


「終わるまで我慢しろ!」


ヒロは即答した。


ミラは顔を上げる。


じーっとヒロを見る。


無表情だった。


だが。


圧があった。


「……」


「……」


しばらく見つめ合う。


やがてミラは諦めたらしい。


静かに雑巾をバケツへ突っ込み、ぎゅっと絞る。


そのまま何も言わず掃除へ戻った。


ヒロは少しだけ勝った気分になった。


たぶん気のせいだった。


それからしばらくして。


ようやく床の水はなくなった。


リビングも廊下も元通りだ。


だが。


浴室の扉だけは違った。


完全に壊れていた。


蝶番ごと吹き飛んでいる。


ヒロはそれを見つめる。


そして深いため息を吐いた。


「……明日ホームセンター行くか」


レオンが頷く。


「俺も行こう」


「悪いな」


「俺も壊した側だからな」


珍しく素直だった。


その時。


ノアが手を挙げる。


「僕が直そうか?」


ヒロはノアを見る。


じっと見る。


かなり長く見る。


ノアも見返す。


沈黙。


数秒後。


ヒロは首を横に振った。


「いや」


「やめとく」


「そう?」


「これ以上改造させないからな」


ノアは少し残念そうだった。


ヒロは知っている。


ノアに任せると直らない。


進化する。


そして大体ろくなことにならない。


「ちなみに明日」


ヒロは指を差した。


「お前も行くんだぞ」


「えー」


露骨に嫌そうな顔をする。


「自分でやった責任取れ!」


「壊したのはレオン」


「その原因はお前だ!」


レオンも頷いた。


そこは否定できなかった。


話を聞いていたミラが顔を上げる。


そして小さく口を開く。


「……私もいく」


部屋が静まった。


ほんの一瞬。


だが確かに静まった。


ヒロとレオンが顔を見合わせる。


ノアだけが嬉しそうだった。


「義姉さんが行くなら楽しくなりそうですね」


「完全にフラグだろ」


ヒロは即答する。


嫌な予感しかしない。


ホームセンターで何が起こるのか。


考えたくもなかった。


レオンは何も言わない。


気配まで消していた。


その時だった。


サクラがリビングへ顔を出す。


「ごはんですよ」


全員の動きが止まる。


そして一斉にテーブルを見た。


並んでいた。


夜ご飯だった。


湯気の立つ味噌汁。


香ばしく焼かれた肉料理。


彩りの良いサラダ。


炊きたての白米。


疲れた身体には最高の光景だった。


ヒロは笑う。


「ミラ」


「腹いっぱい食えよ」


ミラは目を瞬かせた。


「……いいの?」


少し意外そうだった。


「掃除頑張ってくれたしな」


ヒロは椅子を引く。


「サクラの飯うまいんだぞ」


サクラは少し恥ずかしそうに頬を染めた。


「ありがとうございます」


ミラは席に着く。


そして小さく頭を下げた。


「……いただきます」


その声は少しだけ弾んでいた。


皆が席に着く。


温かな食卓を囲む。


騒がしくて。


面倒で。


トラブルばかりで。


それでも不思議と居心地が良かった。


その光景を少し離れた場所から見ながら、ノアはいつも通りソファに座っていた。


手にはブロック型の非常食。


ぽりぽりと齧っている。


相変わらずだった。


その青い目は。


いつもより少しだけ優しかった。

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