うちの奴隷が可愛すぎる
※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。
※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。
コラボ配信は決まった。
最終的に、琥珀の手癖の悪さを考慮し、撮影場所はヒロの店になった。
「琥珀」
ヒロは真顔だった。
「まじであいつにだけは手を出すな」
「わかってるよ」
琥珀は欠伸をしながら答える。
全然信用できなかった。
「絶対だぞ」
「わかってるって」
二回目だった。
余計に不安になった。
その横でノアが言う。
「義父さんも最近は丸くなったからね」
「多少の粗相なら怒らないと思うよ」
「お前根拠のないこと言うな」
ヒロは即座に否定した。
その基準が怖かった。
佐伯だけは上機嫌だった。
「これで俺たちも有名人だぞ!」
「そんな簡単な話じゃねえだろ」
ヒロは遠い目をする。
ノアは琥珀へ視線を向けた。
「琥珀はこっち」
「これ着て」
差し出されたのは二着のメイド服だった。
白と黒。
天使と悪魔をイメージした衣装。
琥珀は迷わず白を指差す。
「私はこっちにします」
「そう」
ノアは気にした様子もなく黒を手に取った。
二人は更衣室へ向かう。
その後ろ姿を見ながらヒロは呟く。
「なんか嫌な予感しかしねえ……」
更衣室の前。
ノアは一度立ち止まった。
そして。
じっと琥珀を見る。
「なに?」
「別に」
ノアは目を細めた。
監視していた。
店の備品が消えないように。
琥珀は少しだけ視線を逸らした。
図星だった。
しばらくして。
カラン。
ドアベルが鳴る。
店内の空気が変わった。
アルヴァルトだった。
前回よりもオーラが強い。
整えられた黒髪。
仕立ての良いスーツ。
品の良い香りがした。
佐伯は勢いよく立ち上がる。
「本日はよろしくお願いします!」
アルヴァルトは軽く手を上げた。
「よろしく」
それだけだった。
なのに妙に絵になる。
ヒロは納得いかなかった。
配信準備が進む。
テーブルには様々な洋菓子。
マカロン。
ショートケーキ。
フルーツタルト。
高級そうなものばかりだった。
緊張感が高まる。
その時。
更衣室の扉が開いた。
ノアと琥珀が出てくる。
白と黒。
対照的な二人だった。
アルヴァルトが目を細める。
「やはり似合うな」
ノアは頷いた。
「義父さんの見立てで失敗したことないですし」
「お前の趣味かよ!」
ヒロのツッコミが飛ぶ。
アルヴァルトは満足そうだった。
琥珀も少しだけ楽しそうだった。
くるりと一回転する。
「ご主人様、どうですか?」
佐伯の動きが止まる。
「……天使だ」
「佐伯?何だって?」
「……天の使いが俺の目の前に」
「おい。もっとゆっくり喋れ!」
佐伯はゆっくり両手で顔を覆った。
「うちの奴隷可愛すぎるだろ!」
ヒロは、その気持ちだけは少し分かった。




