やっぱり自分の家がいちばん
※本作はギャグ・コメディ中心の作品です。
※倫理・制度・恋愛要素などは深く考えず、ゆるくお楽しみください。
食事は終わった。
だが、カイだけはまだ拘束されていた。
その横を通り過ぎながら、今回の食事会はお開きとなる。
「……今回も酷かったな」
レオンが疲れたように呟く。
「もう帰ろうぜ……」
ヒロは即答した。
早く帰りたい。
本気で帰りたい。
その横で、ノアが楽しそうに笑う。
「僕はもう少し残るよ」
視線の先。
まだ拘束されたカイ。
「まだ楽しみたいしね……」
ヒロは無言になった。
聞かなかったことにする。
「……帰るか!」
「そうだな」
二人は揃って現実逃避をした。
外へ出ると、エリザが待っていた。
「ノアは?」
二人とも黙る。
説明したくなかった。
エリザはなんとなく察したように頷く。
「あ〜ン♡ なら時間かかりそうねぇ」
「先に帰っちゃいましょ♡」
そう言って指を差す。
目の前には、ピンク色のオープンカー。
ヒロの動きが止まる。
「……オープンカーって二人乗りだろ」
「俺、電車で帰るから」
するとレオンが即座に口を開く。
「待て。ヒロは疲れてるだろ」
「俺は慣れている」
「いやお前も疲れてんだろ!」
言い合う二人の肩を、エリザがまとめて抱いた。
「大丈夫よぉ♡」
「四人乗りだから♡」
静かに乗り込んだ。
帰り道も地獄のようだったが、なんとか帰宅した。
「おかえりなさい!」
サクラが笑顔で出迎える。
その瞬間、ヒロは少しだけ肩の力が抜けた。
帰ってきた。
そう実感する。
ヒロとレオンは、そのままソファへ沈み込んだ。
「……毎回あんなことやってんのかよ」
ヒロが呟く。
レオンは疲れた顔のまま答えた。
「今日はヒロのおかげで助かった」
「俺?」
「お前の説教がなかったら……色々やばかった」
レオンは静かに続ける。
「アルヴァルトを止められるの、お前だけかもしれんな」
エリザが目を丸くした。
「アルヴァルト様に説教したのぉ!?」
「いや、説教っていうか……」
「親らしくしろって言っただけで」
エリザは引いた顔をする。
「よく生きて帰って来れたわねぇ……」
「やっぱりアルヴァルト様のお気に入りは違うわぁ♡」
レオンも小さく頷いた。
「いざとなれば盾になるつもりだったが」
「全く怒らなかったな」
ヒロは少し驚いた顔をする。
「レオン、俺の盾になるつもりだったのか……」
「いい奴だな」
「当然だ」
レオンは即答した。
「いつも世話になってるからな」
ヒロは勢いよく立ち上がる。
「サクラ!」
「明日レオンの好物作ってやってくれ!」
「えっ、いいのか?」
「いい!!」
レオンの顔が少しだけ緩む。
そのやり取りを見ながら、サクラは楽しそうに笑った。
エリザは呆れたように肩をすくめる。
「ほんと変な家ねぇ♡」




