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その夜、瑠李や瑠李に加担した猫又、鳥たち、猫たちは揃って滝夜叉姫からお説教を食らっていた。彼らが何をしたのか、ひかりから聞いた滝夜叉姫は卒倒しそうになった。猫たちが引っ掻いたり、鳥がフンを落としたりはまだ日常生活でもあることだ。頻度は問題だが、そこまで怒っていない。
問題は猫又たちである。ストーカー達の携帯電話に変化して、チャットで大暴れしたあげくに獣人に変化して驚かしたというではないか。流石にやり過ぎではないだろうか。
『あんな奴らはここまでしないとダメなんです。あそこまでやってやっと分かるんですから』
『そうは言ってもなあ……』
報告してきたひかりは、瑠李たちを褒めていた。しかし本当にやり過ぎてはいないだろうかと不安になってくる。
『ひめさま、安心して。こういうの、神だった時に実践済みだから絶対に成功するから!』
『ああ。お前が神じゃなくなった理由が今、分かった』
つまり、今回のように人の子を守った結果やりすぎていると判断されて妖怪に戻ったのだろう。そして、他の猫又たちもなぜ止めてはくれなかったのだろうか。
『あの……。良くないかなーと思ったのですけれど、この方の言うことは従うのがルールなのです……。大変申し訳ありませんでした』
一匹の少女のような声の猫又が姫に謝ってくる。他の者たちが満足そうな顔をしている中でこの子だけが申し訳なさそうに縮こまっている。
息子に対して、心配そうな素振りを見せていたのはこの猫又である。
『そなたが悪いのではない。元々はあの者たちの行動がいけなかったのだ。気に病むことはない』
姫は優しくその猫又を膝に乗せて撫でてやった。ずるい! 頑張ったのに! という瑠李の声を無視する。
「ただいまー」
何も知らない呑気な弥和が帰宅した。膝の上に乗っている猫又と瑠李以外の者たちは急いでちりじりになっていく。
『ああ、おかえり』
「あれ?! その子どうしたの?」
さっそく猫又に釘付けになる弥和に、話してもいいのかと猫又が戸惑うように姫を見上げる。
『こいつは見えるタイプだから、安心していい。他の人間にバラしたりするようなやつでもない』
『猫又です。初めまして』
「かわいい!! かつお節いる?!」
弥和が猫又に餌付けを始める。おこぼれを貰おうと、瑠李も弥和の後をついて行った。
一連の出来事を例の十二単を着た女性が見ていた。瑠李の計画を彼女は知っていたが、問題があれば自分が出ていこうと思っていた。
『返事がまだ来ないと思ったらこんなことになっておったのか……』
『いえ、私がまだ姫に出していないだけですね』
『ひどい!』
私だって呼び出しが多くて大変だったんですよ、と男性が疲れた様子でため息をついた。女性は、はらはらと涙を流した。その様子は庇護欲を掻き立てるものがある。
『……明日出します、明日!』
『ふふ、頼む』
男性の言質を獲得して、女性は満足そうに微笑んだ。




