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オオカミさんのかくれんぼ  作者: 筍とんぼ
第二章 入場
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16/20

人と人の相性

「てか、拍子抜けしたわぁ〜。噂では『不良』って聞いてたのに、実際しゃべってみたらただの『おこちゃま』じゃない」

「は?」

「夏夜ちゃんも怯えているように見えたし、敬語使って下手(シタテ)に出てやろうと思ったけどそんな価値ないね」


宇佐美さんはフッと鼻で笑う。いつもは割とふわふわしている話し方の宇佐美さんだが、今はトゲトゲしていてはっきりと話している。宇佐美さんの本当の姿はこちらなのだろうか。


(もしかして、相性悪い?)


暁斗と宇佐美さんは、お互いに睨みあっているようだ。2人とも子供のようだな、と眺めていると冬弥先輩が話を戻す。


「えーっと、宇佐美さん?はじめまして。僕は3年B組の柊木 冬弥です」

「はじめまして〜。私は夏夜ちゃんと同じクラスの宇佐美 桃っていいます。夏夜ちゃんみたいに、冬弥先輩って呼んでもいいですか?」

「全然大丈夫だよ。」

「ありがとうございます」


探り探り会話しているようだ。冬弥先輩を前にした宇佐美さんは意外にもあっさりしていた。


(こっちも…?)


「で、話が変わるんだけど。さっき言ってた『文化祭当日』ってどういうことかな?」

「冬弥先輩までですか〜?今日は10月の20日。時刻は5時21分ですよ。ほら。」


宇佐美さんはこれを見ろと言わんばかりにスマホを先輩の顔の前に出す。私もそのスマホを覗き込むと、ロック画面が表示されていた。そこにははっきりと『5:21 10月20日』の文字が浮かんでいた。


「ほ、本当だね。ありがとう。」


先輩はそう言いながら、スマホを押し返し、私たちの方に向き直る。


「夏夜ちゃん、暁斗くん。どうやら本当に10月20日、文化祭当日のようだ」

「あぁ。俺もスマホのカレンダー見たよ」


確かにそのようだ。宇佐美さんのスマホだけならまだしも、一緒にいた暁斗のスマホが狂っているわけがない。


「なら、宇佐美さんの後ろにいる方々は、保護者ってことですよね?」

「そうなるね」


後ろにいる女性は桃色の髪の毛をしていた。宇佐美さんと同じようにふわふわな髪の毛。仲良く会話する彼女たちの姿からしてもお姉さんなのだろうと思う。だが、お姉さんらしき人の隣にいる男性は女性に比べ、髪の毛はボサボサ、くまができていて疲れ切っているようだ。お兄さんの可能性もあるが、見た限り、宇佐美さんとはあまり会話をしていないため兄妹とは思えない。


(思春期ってのもあるかもだけど…)


3人で彼女らを見つめていると、廊下の奥からパタパタと足音が聞こえた。

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