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『エウトピア』貨幣の無い異世界で、私は円を発行する。  作者: 葡萄
魔法王国編

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30/38

第30話  魔法王国ラルムール

カルルキン号から下を覗くと無数のイカダが浮かんでいる。


「バルト……君たちはこのイカダで生活を?」


「いや、今から俺たちのアジトへ案内するよ」


小さな海賊たちは、カルルキン号にかけた鉤縄のロープに、自分たちの剣の鞘を滑車のように使ってイカダへ降りて行った。


「わりい兄貴。鉤縄外してくんない?」


「あぁ。うん」


鉤縄を外しながら、私はカルルキン号が無事かを確認した。


ふぅ〜。大丈夫そうだ。傷なんかがあったらボットに怒られてしまうからね。


「付いてきて〜〜〜」


バルトが先陣を切り、私たちはカルルキン号で彼らのアジトへと向かった。


暗い海で見えていなかったのか、ものの2、3分でバルトたちのイカダが止まった。


彼らの目の前に現れたのは巨大な円形の浮遊基地だった。


木材や丸太を組み合わせて造られていて、私の想像を超えるしっかりとしたアジトだった。


簡素な造りではあるが、円の外側に樽や浮き輪が取り付けられ、しっかりと海の上に浮かんでいる。


浮かんだアジトの上にはあちこちにテントが張られ、生活感を感じる。旗が立ち、操舵用の帆もある。


バルトたちは張り出した桟橋にイカダを停め、流れないように慣れた手つきでイカダにロープを括りつけた。


「ゴトッ……コトッ…トスッ」


私たちも桟橋へ降り立った。マリアもいるがやはり、彼らは見えていないようだ。


「ギュオッッッ」


おぉ。カルルキン号も難なくアイテムボックスに収納できた。


今まで収納したものの中で一番大きかったけど、収納してしまえば棚の中の本のうちの一冊に過ぎないな。


「おぉ……」


その一部始終を見ていた小さな海賊たちが、呆然と立ち尽くしている。


「ポ、ポルテの兄貴。それは……」


「あぁ。この空間にいくらでも物をしまえるんだよ」


私は腕と身体の間に、アイテムボックスの異空間を作ってみせた。


「兄貴は一体何者だ?」


「ただの旅人だよ。このアジトだってすごいじゃないか…君たちだけで?」


「まあな。何とかやってるよ」


「全部で何人?」


「俺を入れて20人だ。中を案内するよ」


アジトの中へ進んでいくバルト。

すっかり夜になった暗い海の上に、ランプ代わりの火がアジトの中に揺れて灯っている。


張られたテントが8つに小さな小屋のような家が3つ。


子どもが20人生活するには十分そうだった。


アジトに残っていたのは、9人の少女だった。


そうか……男だけで狩りに出たってことか。


「どうぞ……君たちも食べて」


私は彼女たちにも食べ物を分けてあげた。


食べている姿を見て安心したのか、微笑んでいるバルトに問いかける。


「バルト、君たちはどこからここへ?」


「ここにいる奴らは全員はみ出し者さ。家族に追い出された奴もいりゃあ、海へ放り出された奴もいる。まぁ、そこら辺はよく覚えてねえが、片っ端から仲間にしたらこうなったって話だ」


「そお……じゃあバルトは?」


「俺は…………」


バルトは少し俯き、表情が暗くなった。


何か訳があるのだろう…。あまり詮索するのは良くないと思った。


「私は君がはみ出し者だったとしても。ただの腰抜けじゃない事を知ってる。君はいい男になるよ」


「ヘヘッ…何だよそれ」


「私が保証するよ」


バルトは嬉しそうに微笑んだ。

すると奥のテントから声が聞こえてきた。


「ちょっとお兄さ〜ん。助けてよ〜〜」


声がする方へゆっくりと近づく私に、バルトが言った。


「兄貴。こいつはここへ潜り込んできやがった泥棒女なんだよっ」


服の上から身体をロープでぐるぐる巻きにされ、縛られた女がそこには横たわっていた。

黒いマントを着ていて顔が見えづらいが、妙に余裕のある声色だ。


「見たところ泥棒に入ったみたいだけど…何者?」


「お腹が空いてたんだも〜ん…ここ何もないし〜」


「うるせえ泥棒女!」


「バルト〜お前が言うか?それ」


「ヘヘッ」

少し照れ臭そうな仕草がまたルークと重なった。


「私にも何か恵んでよぉ〜。お兄さ〜ん」


「お兄さんお兄さんて年上でしょ?あなた」


「ポルテ。この人危険な匂いがする…」


「グルルルル」


イヴとマリアが警戒している。


「ん〜。見た目は怪しいけど、お腹空いてるだけでしょ?外してあげれば??」


「えぇ〜。ありがとうお兄さん」


バルトが渋々ロープを解いた。

私がアイテムボックスから出した林檎と果物を口にする女。


「ウマ〜いこれ…。お兄さん名前は?年下そうだけどタイプかも〜」


「グルルルル」

「ギンッッッ」


マリアが唸り、イヴはレイピアを構える。


「あ、ちょっとちょっと。2人とも」


「私はポルテ。あなたは?」


「ポルテか〜。いい名前。私はね〜ケリー・ヨート」


ニコッと微笑んだケリーが、一瞬マリアのことを見たような気がした。


それに、さっきから食べ物を取るためにマントの中から伸びて出てくるのが右手だけなのだ。


私はその仕草を見て顔が冷たくなり、背筋に汗が滲んだ。


左手を隠す仕草がガザム・ユーリウスを思い出させたからだ。


「ケリー……君は何でさっきから左手を使わないの?」




「あ、これ?……バレた??」






「カチッ」


私は短剣に手を伸ばし、そっと後方へ下がって身構えた。




「……バサッ」



ケリーがマントから左手を出した。

普通だった。全ての指が揃っている。


ケリーがバルトを睨みながら言った。


「はぁ〜。ビリビリする。誰かさんに縛られたせいで、動かせなかったのよね〜〜〜」


「お前がコソコソ入ってくるからだろ?」


ケリーはバルトに舌を出し、嬉しそうに林檎にかじりついた。




「なんだ……痺れてただけ…。じゃあ、ここには?」


マリアに手を触れたがケリーは首を傾げていた。


「気のせいか……」


「じゃあ、あなたはどこからここへ?」


イヴがケリーに呟いた。


「んん〜言いたくない」


「何で」


「あなた苦手だから」



「……バチッバチッバチッバチッ」

静かに睨み合うケリーとイヴの間に、火花が散っているように見える。



「お、おいポルテの兄貴……」

「あ、ああ。今は何も言わない方がいい」



「パンパンッ」

食事を終えたケリーが手を払いながら呟く。


「じゃあ、あなたたちはどこへ行くの?」


「ラルムールってところへ行きたいんだけど…」


「兄貴……あんなところまで行く気かよ」


「バルト分かるの?」


「おぉ。まあな」


「ここからどれくらいか分かる?」


「まぁ。兄貴の船なら二週間てとこかな」


「に!……二週間もかかるの!?」


ここへ来るまで今日を入れて8日。あと二週間ってことはラルムールまではトータル22日か。


「イヴ。出発は明日にしようか」


「そうね」


「バルト今日はここで休ませてもらおうかな。あと、話もあるんだ」


「よっしゃあ…俺のテントで話そう。おい、女!変な動きすんなよっ」


「うるさいわね。何もしないわよガキッ!!!………何よ。何見てるの」


イヴはじっとケリーを見つめてから、そっとその場を去っていった。


あまり物はない。獣の皮の絨毯に短剣がもう一本。


動き回れるくらいのスペースは十分にある。


バルトの部屋で私が呟く。


「へぇ〜。いい所じゃないか」


「そうか?まぁ生活するには悪くはない」


「いや、そう意味じゃないよ。ここで練習してるんだろ?剣」


「あぁ。そう言う意味か。まあ、そんなところ」


「独学であそこまで行くのは、容易くないさ」


「ヘヘッ…ところで兄貴…話って何だよ」


「バルト…君たちこれからどうするつもり?」


「…………」




「……パサッ」


「私も聞いててもいい?」


バルトが顔を曇らせたとほぼ同時に、テントからイヴが顔を覗かせた。


「バルトどうする?」


「あぁ。聞いても構わないよ」


「バルト…深刻な話じゃない。話したかったのは、私たちの故郷へ行く気はないかって話なんだ」


「故郷…?」


「あぁ。ここから私の船で8日ほどのところにウイ島という島がある」


「待てよ兄貴。そんな島、聞いたことねえぞ…ジジイもそんなこと……」


「ジジイ?」


「いや、何でもねえ。…兄貴が嘘ついてるとも思わねえし」


「水でできた大きな樹と、波の壁で囲われた島だ。すぐに分かるよ。今すぐとは言わないから皆んなで相談してほしいんだ」


「そんなところが……でも、急に俺たちなんかが……」


「バルト…ウイ島は危険なところじゃない。それに島の人たちは皆んないい人だ」



「……ほんとか…」


「嘘はつかないよ」


「俺……ちょっと話してくる!」


バルトは勢いよくテントを出ていった。

揺れるテントの入り口の横で話を聞いていたイヴが微笑み呟いた。


「ずっと考えてたの?」


「まぁね。あの剣術を見た時に」


「ジャンさんね」


「フフッ…正解。バルトを見たら『ダーハッハッハー腕がなるぜ』とか言いそう」


「アッハ……確かに」


「それに、島で過ごした方が安全だよ。食べ物もあるしね」


「そうね」


「あ、そうだイヴ…カルルキン号で何言いかけたの? 『これだけは…分かってほしい…私は』の続き!」


「あ〜。……忘れた!」


「えぇ!!!忘れた?めっちゃ大事そうなこと言いそうだったよ!?」


「忘れたってば」


「あれだよ?何か言いかけて…その後すぐカルルキン号が揺れたんだよ?」


「フフッ」


イヴはポルテを残したまま、微笑みバルトのテントから出ていった。



 イヴはその言葉の続きを忘れてはいない。



イヴは口には出さず、心の中でまたそっと呟いた。



『でも…これだけは分かってほしい


    

    ……私は……過去の記憶が無くたって…



 あなたと…あなたたちと




       一緒にいられれば…それだけでいい』





そしてこの時、私とイヴのこのやり取りを、


物陰に潜む猫のように、目を光らせたケリー・ヨートが見ていたことは……誰も知らない。




——小さな海賊たちのアジトで私たちは朝を迎えた。


今日から再びラルムールへの歩みを進める。


「よし、じゃあなポルテの兄貴」


「うん!島へ着いたらフランク・オリベルって人を尋ねるといい」


「フランク・オリベル……分かった!ありがとな!!兄貴……また、会えるよな…」


「また会えるよ。私たちの故郷なんだから……気をつけて行くんだよ」


「あぁ!兄貴も!!」



「ガッ」

私は桟橋からカルルキン号へ乗り込んだ。


乗ろうとするイヴの元へ駆け寄り、耳元でバルトが呟く。


「イヴの姉ちゃん。ポルテの兄貴、ありゃそうとう鈍感だぜ?まあ頑張れよ…じゃあなっ」


「えっ」

赤くなったイヴを見るとバルトはまた少し意地悪そうに笑った。


海へと進み始めるカルルキン号。


「はぁ〜。また船旅だね〜」


「ちゃんと帰れるかしら。バルトたち」


「大丈夫さ…次にウイ島へ帰る日が楽しみだよ」


ウイ島のある西の方へと動き始めたバルトたちのアジトが見えた。


「は〜〜〜、ガキたちと離れられたけど。あなたもいるの忘れてたわ。イヴ」


「ケリー!乗ってたのか!?」


ケリー・ヨートがカルルキン号に乗っているではないか。


私たちはケリーがもうすでにアジトから身をくらませたと思っていたのだ。


なぜならば、ケリーがアジトへ侵入する際に乗っていたとされるヨットが無くなっていたからだ。

アジト内では、そのせいで今朝方に少し騒動となったからだ。


「ポルテと2人が良かった〜。昨日の夜はテントであいつと楽しそうに話してるし〜〜。どういう関係なのよ」


「不法侵入…覗き魔」


「…相変わらずムカつく〜〜」


「まあまあ、2人とも。ケリーはラルムールへ向かって良いの?」


「えぇ。そこで大丈夫よ」


「そう」


ケリーは好意的に見えるが、聞きたいことを全ては聞けない。踏み込めない雰囲気を持っている。


それにケリーからはケトも魔力も感じない。マリアを見たように感じたのは気のせいだったには違いないだろうが……。


この先、ラルムールまで約二週間。この3人で平和に共同生活することのほうが重大である。私はまだ15歳だ。ストレスで抜け毛になる心配はしなくても大丈そうだ。


「ガチャッ」


「何これっ。すっご〜い」


船室を開けたケリーが大きな声で言った。


「私の仲間が造ってくれたんだ」


「へぇ〜。あ!私あのベッドで寝ようかしら」


「あぁ。ケリーそこは……」


「私のベッド」


「あぁ。あんたのか。じゃあいいわ」


「汚れなくて助かった」


「……バチッバチッバチッバチッ」

まただ。睨み合うケリーとイヴの間に間違いなく火花が散っている。


はぁあっ。神様っ…私はあと二週間、平和に船の旅が送れるんでしょうかっ。

あの気だるそうな神様でも良いのでお助け頂けませんかぁああ?


ケリーはイヴから一番遠い部屋を選んだ。

つまり、私の前の部屋になった。


その日の夜のことだった、バルトたちの襲撃で荒れてしまった部屋の片付けと模様替えまで済ませた私は、一息つこうとバルコニーへ向かおうと部屋の扉を開けた。


前の扉が開いている。


ケリーが閉め忘れたのかなと思った。


「ケリー扉、閉め忘れ………なっ」


「ポルテ〜」


ベッドの上にいるケリーはマントが肩からずり落ち、その締まりのある豊満な身体を、はだけさせて完全に私を誘惑しに来ている。


「バタンッ…」


私は勢いよく扉を閉めてバルコニーへ向かいながら呟いた。


「あの人は一体、未成年に何をしてるんだ…」


部屋の中からケリーが叫んでいる声が聞こえた。


「ねぇ〜〜〜、チャンスなのに〜〜〜〜〜〜〜」


それ以降、毎日のようにケリーの誘惑が続き、ついに私の堪忍袋の尾が切れる。


船での生活16日目のことだった。


「ケリィイイイーーーーー」


カルルキン号に私の声が轟く。

イヴは私を新種の動物を見つけたようにまん丸な目で驚いて見ていた。


私は人生で初めて人を正座させた。


「ごめんなさい。もうしません」


ケリーは反省し、それ以降、日常生活以外はお色気部屋の扉が開くことはなくなった。


それでもイヴとケリーの仲は相変わらずで、口を開けばディスり合いの応酬だった。


「食べ方汚い」


「あんたが上品ぶってるだけでしょ」


「声大きい」


「あんたが声小さいのよ」


「あぁぁぁあぁぁぁ!もお。お前たちはラッパーかーーーー!!!」



しかし、船での生活20日目のことだった。


私の左隣にケリー。私の右隣にイヴ。


そしていつものように飛び交うディスり合い。


しかし、この状況でも私はトト特製のハーブティーを楽しめてしまっているのだ。


自分でも驚いているが、元々受け流す能力が備わっていたのだ。


覚えているだろうか。転生前の上司・銭山を。初めて彼の日々のディスりへ感謝した日だった。


島を出発して21日目。

つまりラルムールへの到着予定の前日になった。


「ガチャッ」


船外へ出た私は違和感を覚えた。


「全然暑くない…てゆうか、めちゃめちゃ寒い……」


「何これ…」


私はアイテムボックスからミルクうさぎのファーコートを取り出し、後ろにいるイヴにも手渡した。

7月もまだ後半なのに、極寒なのだ。


「イヴ…見て海が…」


「流氷…」


カルルキン号の航跡波で流氷が波打っている。


前へ進めば進むほど流氷の量が増えていく。


「ちょっと〜寒いから閉めてくれない〜?」


扉の開いた船室内から布団に丸まりながらケリーが言った。


「ケリー。ラルムールはもう冬ってこと?」


「あの国に夏はないわよ。全部氷でできてるんだから」


「魔法の国が…氷…」


「あら、知らなかったの」


「じゃあ……そろそろ着くってことか……」


少しずつ大きくなっていく流氷。


「ガコッッッ…ガゴッッッッ」


大きな音とともに流氷をものともしない巨大な貨物船が、正面から向かってくるのが見える。


「まずい…」


「カラカラカラカラ」


私は舵台へ急ぎ、右へと旋回した。


私たちを乗せたカルルキン号の真横を貨物船が通り過ぎ、カルルキン号が航跡波に揺られる。


見覚えのあるコンテナが一番上までぎっしりと積まれている。


そしてルークが言っていたように、私がアイテムボックスへ入れている船のマークが描かれた帆もついている。


「大きい……」


「そうだね…どこへ向かうんだろう」


「ね〜。早く閉めてよ〜」


「バタンッ」


船室の扉を勢いよくイヴが閉めた。

それを見て苦笑いする私。


どんどん白く景色を変えていく海。

右へと逸れた私たちが目にした貨物船は、正面に見えた一隻だけでは無かった。


「ずっと続いてる…どこまで続いてるんだ」


東へ向かうほど流氷はどんどん大きくなっていく。


そして陸となり、やがて氷山が大きな海峡を造りだした。


氷山に挟まれた広い水路へとカルルキン号が誘われる。

水路へ入ってもなお、止まる事なく貨物船の列は続き、私たちとすれ違い続ける。


程なくしてすれ違う貨物船のスピードが徐々にゆっくりになっていった。




ようやくカルルキン号が海峡を抜けた。




———その先に見えた光景に私は驚嘆した。



巨大な氷河の中に築かれた港街が姿を現したのだ。


小さな船が港の上空を飛び交い、


水路沿いには倉庫や商店、住宅などが密集して建ち並んでいる。


街の背後にそびえ立つ巨大な断崖。


建物の屋根には無数の氷柱が垂れ下がる。


一方、断崖にある洞窟の入口付近には暖色の照明が灯されており、街に漂う氷の冷たい雰囲気に橙色の明かりが街へ人の営みを感じさせ暖かみをもたらす。


遠い先には雪に覆われた険しい山々も見え、この地が広大な大陸だということを思い知らされる。


街の人々は機械でできた椅子や高さ3メートルほどのカプセルのような乗り物で街中を自由に浮遊し、飛び交っている。


『緑に赤に青に紫』


歩く者も乗り物に乗る者も、街の人々ほぼ全員が同じ色合いの『三角の帽子』と『ローブコート』を身に纏っているではないか。


「おぉーーし。降ろしてくれーーーー」

「どいたどいた〜〜〜」


水路に停まる貨物船から作業をしてる者の声が聞こえ始めた。


私は目を輝かせながら呟いた。


「ここが………魔法王国…ラルムール……」


私たちを乗せたカルルキン号は予定より少し早く到着したのだ『魔法王国ラルムール』に。




































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