瑕疵物件(7)
部屋に入りすぐに窓を開けて換気をしました。
この異様な重い空気が換気でマシになる確証はどこにもないのですが、気持ちだけでも。
急に逃げる準備をしろといわれても、まず何をどうすればよいのか全く分かりませんでした。逃げる先もこれからのことも何もかも。とりあえずすぐ逃げられるようにリュックにある程度必要なものはまとめておき、今日は疲れていたので早めに休息を取ろうと思い風呂の準備をしました。
風呂に入り、今日のことを考える。大家との話し合いで一瞬見せた大家のあの表情、例の宗教と2人の会話の
中で出てきた供物、自分の身に危…
「ゴトッ」
何かが鈍い音で落ちた気がした。また怪現象かとは思ったが何が落ちたのかわからなかった為、戸のほうを振り返ってみる、
(イメージ)
戸にはすりガラス越しでもわかるように顔が張り付きMを睨んでいた。その時Mは絶叫し、驚き腰を抜かしていた。頭がグワっとし、意識が飛びかけたが一瞬のうちにその顔はなくなっていた。(疲れていて、精神的にもきていたから見えたのか?)と思ったがそんな事より早く出ようと身体を洗って風呂から出た。
風呂から上がり、髪を急いで乾かし、布団を被るようにして床に就いた。今まで怪現象が起きてはいたが実体となって出てくるのは初めてだった。気づけば眠っていた。
目が覚める。
まだ夜はまだ明けてない。部屋は暗い。
突然目覚めた割には夜目が利く。
布団から1番遠く離れた部屋の角に誰か立っている。
振り向く。
振り向いてない、首がない、両手がない、身体を捻っただけ。
来る。こっちに来る。
うごかない。どこもうごかない。
来る。近くにくる。
部屋が夜明け前のような水色。
うごかない。来る。目の前にくる。
切断された首の端に赤黒い塊。
呼吸をしている。喉笛、ヒューヒュー鳴る。
腕上がる。
切断された腕。骨と肉の断面。
また赤黒い塊。顔に落ちる塊。
近づく。額にこすりつけられる切断された腕。
グチャグチャと音が鳴る。互い呼吸が激しくなる。
喉笛、ピーピーと甲高く鳴る。
うごけない。いきができない。
しかいがくらく、、、
朝、目が覚める。
カレンダーを見る。
日付 5年前の今日。




